壁 | 鞍手ゆたか福祉会スタッフブログ

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鞍手ゆたか福祉会は、福岡県鞍手町を拠点に、直方市、宮若市、行橋市、北九州市、福岡市、宇美町、長崎県大村市、
東京都新宿区で障碍者や高齢者の支援を行っている社会福祉法人です。

新年明けましておめでとう御座います。

本年も宜しくお願い致します。



今回は、自分の担当している利用者さまAさんの話をします。

Aさんは企業出向に毎日行って頑張っていましたが数字に対して苦手意識が有り品物を50個数えるのにいつも苦労していました。

30個までは大丈夫なのですが50個になると間違えてしまします。

なんとか50個の壁を克服出来ないかと、Aさんと一緒に悩み、日々練習を行うのですが練習の時は成功するのに実践になると失敗ばかりでAさんも落ち込み、ついに出向に行きたくないと言い出しました。

しばらくは「一緒に頑張ろう」と言って出向に行っていましたが、次第に表情が険しくなり、とうとう出向先に着いても車から降りようとしなくなり、このままではどうしようもないと判断し、しばらくの間出向を休む事としました。


内職作業の体験を行いながら何とか50個の壁を越えられないものかと日々考え、練習を行っていましたが、Aさんの顔から次第に笑顔が消えてしまいました。

「やっぱり50個数えるのが無理なので出向には行きたくありません」と言い出し、保護者さまとも相談の上、出向への参加は断念する事となりました。



これからどうしたら良いか悩んでいる時、ふと8月頃にセンター長が言っていた近くの食品関係の会社の事を思い出し、センター長に相談、企業見学に行かせて頂きました。

この仕事ならAさんでも大丈夫かもと思い、すぐにAさんを連れてもう一度見学に行かせて頂き、Aさんも頑張れそうですと言っていたので、その場で企業実習と言う形で2週間、作業を体験させて頂けると言う事になりました。


企業実習に行き出してから2~3日が過ぎた頃、Aさんから毎日楽しいですと笑顔がこぼれました。



今までは壁にぶち当たった時はなんとかその壁を超える事ばかりを考え、利用者さまにも負担を背負わせていたのではないかと思います。

無理をすれば超えられる壁なら、壁を乗り越えた時の達成感を味わう為にも壁に向かって進む事も大切ですが、どうしても越えられない壁が有る時は、その壁を避け回り道をするのも一つの方法ではないかと今回の事を通して気付く事が出来ました。




Aさんは企業実習を休む事無く、前を向いて笑顔で頑張っています。

一日でも早く、出向になるように自分もAさんと力を合わせて前進して行きます。



じょぶトレーニング筑豊 佐伯



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