自閉症とのコミュニケーション | 鞍手ゆたか福祉会スタッフブログ

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東京都新宿区で障碍者や高齢者の支援を行っている社会福祉法人です。

皆さん こんにちは!! ゆたかの里 田中です。


今回は、「自閉症とのコミュニケーション」について書かせていただきます!


まず、自閉症の人たちの行動を見ていると探しだすのにかなり骨が折れると思います。


例えば、ほしいクレヨンを透明な箱の中に入れて鍵をかけてしまったら、彼らはどうすると思いますか?

言葉で「あっ、鍵がかかっている。開けてください」なんてすらすら言えてしまえばわけないですが

実際はなかなか難しいです。


・両手を重ねて「ちょうだい」のサインを見せる人がいるかもしれません。

・あけてほしい箱を箱ごと渡してくるかもしれません。

しかし、これならまだわかりやすいほうです


自閉症の人がコミュニケ-ションに障がいをもつというのは、こうした行為が起きる以前の

「人に対してコミュニケーションしようという気持ち」「コミュニケーションマインド」に障がいを

もっていることが多い・・・

ちらっと見やって、それ以上どうするわけもなくて、すっと気をそらせてしまう、周囲からは

欲しがっている」なんてことが全然わからないということがあるかもしれません。

あるいはなんでもかんでも、ひとりでやろうとしてしまって、それこそ箱を噛みちぎらんばかりの

大騒ぎをしてしまうこともあるかもしれません。


表現コミュニケーションは、伝えた相手に「わかってもらえた」「通じた」ということで強められます。

要求ならば「かなえられた」、意志ならば「通じた」という経験によって、再び「コミュニーションしたい

という気持ちに成長すると思います。

なので、本人が使っているコミュニケーションの手段があれば、まずそれにきちんと応えることで

コミュニケーションしたい気持ち」をうんと強めていくことが大切ですね。

それじゃなくても、コミュニケーションに対する人への意識が乏しいのが自閉症の人たちなので、

コミュニケーションのスキルを身に付けるよりも前に、まず本人がもっている

自発的なコミュニケーションのレベルを大事にし、「コミュニケーションしたい」「わかってもらいたい」

というコミュニケーションマインド」を強めていくことが初めの一歩!!じゃないかなと私は思います。


それと「自閉症の人は言葉かけに弱いらしい」という話をすると、決まって

いや彼らは、よくわかっている」と反論する人がいるのではないでしょうか。

世の中は、いたるところ言葉の渦の中で動いているかもしれない!

簡単な声かけは、理解できないより、理解できるようになるほうがいいわけです。

しかし、ちょっと立ち止って、相手が理解しているのはいったい何なのか、もう一度見直してみることも必要かなと思います。

本当に言葉がわかっているなら、さっきのようないたずらをしてみても動しないはずだし、

彼らが理解しているのは、「こちらの動作」だったり「状況判断」だったり、さらにいえば「いつものことだから」ということで動いているにすぎないということだってあるかもです・・・


言葉をわかっているのではないとしたら、指示をわかりやすくするためにどんな手段が考えられますか?

言葉はひとつの手段であって、実はとってもわかりにくいものだとしたら、それに替わる

あるいはそれを補うような「目で見える手がかり」というものを準備していきたいとは思いませんか。

もっとわかりやすい指示をまわりが意識して準備したら、人とのかかわりはもっと楽しくなるのではないでしょうか。

安心できて、こんなところからも人とのかかわりはスタートするのでは???