「秀麗無比なる鳥海山よ」
のフレーズで始まるこの曲。
ご存知の方はいらっしゃいますでしょうか?
Jリーグやbjリーグの熱心なファンの方であれば、
秋田県民でなくても一度は耳にしたことがあるかもしれません。
また、大曲の花火が好きな方にとっても、
聞いたことのある旋律かもしれません。
県民自ら荘厳華麗な旋律と言えば、
贔屓しすぎかもしれませんが、
本曲は日本三大県民歌のひとつに数えられています。
作曲は「浜辺の歌」を作曲した秋田出身の成田為三。
作詞は秋田で教員をしていた倉田正嗣。
プロスポーツチームでの応援曲に使われるだけでなく、
式典などの節目でも歌われる機会の多い曲です。
しかし、この「秋田県民歌」が
正式な県民歌ではなかった時期があります。
本曲が県民歌として採用されたのは1930年です。
敗戦後、本曲は歌われなくなります。
一説には、GHQからクレームがついたという話もあります。
1959年に新しく「県民の歌」が制定されますが、
復活を求める声が大きくなります。
合唱と吹奏楽のための楽曲『大いなる秋田』では
戦前戦後の県民歌が曲中で採用されました。
そして、現在では両県民歌が並立して、
県民手帳に掲載されるようになっています。
名曲も文化も伝統も、
紡ごうとする人の意志があってこそ
紡がれ続けるものですね。

【編集者後記】
大河ドラマ『葵 徳川三代』にて、
徳川家康(演:津川雅彦)の台詞に
『学問には、「目学問」「耳学問」「体学問」がある』
というものがありました。
読書はまさに「目学問」です。
確かに、読書は大切ですし、
読書をしたい意欲もあります。
しかし…
以前のように読書ができない…
読書しようにも、時間がない。
読書できる時間を作って態勢を整えたとしても、
気づくと寝てしまっていたり…
そんなこんなで積読が増えるばかり…
そんなときに効果があるのは、
「耳学問」です。
今という時代は便利なもので、
いつでもどこでも聞きたいものを
聞ける時代です。
ただ、硬い内容のものだけ聞いていても
息がつまってしまいます。
そんなときにはやはり音楽。
好みの音楽を聴くというのは、
自分自身の癒しにもなりますし、
また立派な教養でもあります。
音楽、いいですねー!