本来ならば
『秘史』『異聞』『始末』
を「三部作」として収まりよくするつもりが、
収まりのよさを打ち破って完成したのが
本書『談義』。
今回は、四作目にしてやっと
役者陣へのインタビューがメインという、
スタッフメインの本シリーズでは型破りの、
しかし本来はオーソドックスな構成。
冒頭、
西村左内(『仕掛人』演:林与一)、
糸井貢(『仕留人』演:石坂浩二)、
やいとや又右衛門(『仕業人』演:大出俊)
のインタビュー。
続いて、
花乃屋とんぼ(『からくり人』演:ジュディ・オング)、
死神(『新仕置人』演:河原崎建三)、
蘭兵衛(『新からくり人』演:近藤正臣)が登場。
前期のファンとしては、
ここでだいたいキマってしまいました(笑)
ですが、より印象に残る話をしてくれていたのは、
後半に出てきた役者陣。
特に、『暗闇仕留人』の主題歌『旅愁』をはじめ、
数々の必殺シリーズの曲を歌い、また出演した
西崎緑さんが語ってくれた
高峰三枝子さんの話。
大ヒットした『湖畔の宿』が戦時中、
支那事変の時勢に適さないとして発禁処分を受けたのだが、
官邸の東条英機の前で『湖畔の宿』を歌った、とか…
それから、『仕事人Ⅴ激闘編』で壱を演じた
柴俊夫さんの話で出てきた、
映画監督の児玉進さんという方、
祖父が児玉源太郎だった、というのも
興味深い話でした…
…と、こんな話を続けていれば
止まらなくなるので、
まずはこれまで。あらあらかしこ。