『交流のしくみ 三相交流からパワーエレクトロニクスまで』森本雅之(2016 講談社) | 倉山塾東北支部ブログ

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交流のしくみ 三相交流からパワーエレクトロニクスまで (ブルーバックス 1963)

 

電気には直流と交流がある。

自分は自己啓発で電験3種を勉強中でだが

現在、交流に泣いている最中である。


なぜなら、交流は直流と異なり難しい。

例えば、直流では電圧や電流が

時間に対して一定であり

グラフは直線で表され、

流れる向きが一定である。


交流では電圧や電流が時間に対して変化し、

グラフでは波で表され、流れる向きも変化する。


波で表されるので周波数、振幅など

特有の性質があるので理解が難しい。


使われる数学もまた違う。

直流では一次方程式や比例がわかれば解ける。

だが交流ではベクトル、三角関数、複素数平面と

数学嫌いな人が見れば、ムスカ大佐と化すような

公式のオンパレードである。




本書の交流のしくみを読んだ理由は

交流や機械を少しでも理解したかったためだ。


参考書は通常、資格試験の範囲で

電気にまつわる現象や公式、機械の原理など

計算に使用するものが解説される。


だが、なぜ交流なのか。

なぜトランジスタが生まれたのか。


参考書には書かれない背景情報が本書にある。


その背景情報が重要であると思うが

計算に関連しないせいか参考書には載らない。


確かに知っても点が取れるわけではない。

だが知って知識を関連付けしないと

せっかく覚えたある知識が

いつのまにかどこかへ

吹っ飛んでしまうか

間違えた内容に変容する。


知識は単体では役に立たない。

資格試験用テキストだけでは

どうも定着がうまくいかない。


難易度が高い資格試験を勉強するとき

試験内容に関連した本を読み、

そして読み返して

問題を解いてを繰り返して

徐々に物になっていく。


そのように思うのである。