『必殺シリーズ始末―最後の大仕事』高鳥都(2024年 立東舎) | 倉山塾東北支部ブログ

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必殺シリーズ始末 最後の大仕事 (立東舎)

 

『秘史』『異聞』と来て、この『始末』で3部作完結。

 

前2作は、前期必殺の話が中心でしたが、本作は『~仕事人』から始まる後期の話がメインとなっています。

 

インタビューを受けた俳優も、三田村邦彦(錺り職の秀)・中条きよし(三味線屋の勇次)・鮎川いずみ(なんでも屋の加代)・京本政樹(組紐屋の竜)・村上弘明(鍛冶屋の政)、と、後期必殺を語る上では欠かせない面々。

 

勇次に至っては、某政党の参議院議員。

このインタビューも、議員宿舎で受けたそう…

 

「勇次、政治家になる」

 

とか、仕事人の話のサブタイトルに本当にありそうで…(笑)

 

今でこそ前期の必殺の方が好みですが、小さい頃に見ていたのは『仕事人』以降の後期必殺です。

 

必殺ファン歴、かれこれ30年にはなりましょうか…

 

祖父に連れられ市民市場に仕入に行っていたそうですが、その時も『仕事人』の主題歌・『浜千鳥情話』を歌って、店のおばちゃんたちに褒められていたとか…

 

3歳にして、既に変わり者の片鱗が出ていたようです(笑)

 

さて、ハードな作風に比べ、安定路線でマンネリが目立つ後期必殺。

 

しかしそのマンネリこそが、後期の必殺らしさを醸し出しているのです。

 

鉄や主水や半兵衛をはじめとした、前期の殺し屋たちの持つ“重さ”“暗さ”“泥臭さ“というものは、かなり薄れますが、それに代わって引き立つのは”様式美“”華麗さ“です。

 

基本的には前期が好きですが、重くなったら後期を観る、というのもいいと思います。