スティーブン・C・マルカード 著 秋塲涼太 訳『陸軍中野学校の光と影―インテリジェンス・スクール全史』(芙蓉書房出版 2022年)
今年も“敗戦の日”が近づいてきました。
この時期になると、お盆ですから職場も繁忙期なのですが、
一方で敗戦の日が近づくにつれ、
先の大戦に思いを致します。
挙げればキリがないほど、
先の大戦を考えるにあたっての単語や切り口がたくさんあります。
「情報軽視」も、その一つ。
ずっと言われていることです。
しかし、語られる割に、
その反省や教訓が現実の政策に活かされているのでしょうか…??
少しずつ前進しているようにも見えますが、
まだまだ足りないことも事実でしょう。
つい先だっても、
2020年から21年にかけて、
中国軍のハッカーが、日本の防衛関連の最高機密網に
継続的に侵入されていたことが報道されました。
この一事をとっても、
戦前からの「情報軽視」という問題は、
解決どころか放置されっぱなしであったように
思われてなりません。
しかし。
情報軽視とは言いつつも、
実は帝国陸軍には優秀な
インテリジェンス・スクールがありました。
それが、陸軍中野学校です。
情報が重要だという認識があったからこそ
設立された機関だと、私は思います。
全体としては情報軽視ではあっただろうけれども、
細かいところを見ていくと、
必ずしも全てがそうではなかったということが分かります。
中野学校が果たした役割を学ぶことが、
インテリジェンスの強化につながることは間違いないでしょう。
この時期だからこそ、今一度
「二度と敗けないためにどうすべきか」
ということをしっかり考えたいものです。
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