最近は、相撲の力士の四股名に、戦国武将の姓や名がつけられる例もちらほら見られるようになってきました。
若隆元・若元春・若隆景の大波三兄弟は、毛利三兄弟から。
三段目にも、「謙信」や「九鬼王」といった力士がいます。
少し前だと、元大関・若嶋津(若島津から改名)。
故郷の戦国大名・島津氏から取ったものとすぐにイメージできます。
そして、元横綱・貴乃花の一番弟子である大関・貴景勝もその一人。
上杉謙信の後継者・上杉景勝から取っています。
さて、上杉謙信は、およそ誰もが知る戦国大名にして、人気も知名度も抜群です。
一方、後継者である上杉景勝は、叔父・謙信に比べて人気・知名度は低く…
それは致し方ないとしても、家臣の直江兼続の方が目立ち、謙信や兼続の陰に隠れがちです。
無骨・不器用・苦労人・寡黙・忍耐・質実剛健…
謙信や兼続にはそれほど強く感じられないイメージです。
謙信ほどのカリスマもなく、兼続ほどの華もなく。
でも、景勝のこういう気質にこそ、男らしさ・カッコよさを感じます。
これこそが、景勝の持つ強烈な個性なんだと思います。
私も天才的に生き方が不器用なので、勝手な親近感を抱いてしまいます…
「梵天丸もかくありたい」
ではないですが、こんな男になりたい。
そう思わせてくれる人物です。
本書は、そんな景勝の生涯を追った評伝です。
コロナ此の方、三年も米沢に足を運べていません。
来年こそ上杉神社と松岬神社(景勝はこちらの祭神)に行かなければ!!