倉山満『救国のアーカイブ 公文書管理が日本を救う』(ワニブックス 2021年)読了。
アーカイブと聞いて、パッと思いつくのは公文書館でした。
でも、これまでのイメージは、ただ公文書を保管しておくところ、というようにしか捉えておらず、特にその重要性について考えることもありませんでした。
「そう言えば、我が秋田市にも秋田県公文書館が県立図書館に併設されていたなぁ」
と思い、県のHPを覗いてみると、何と秋田県公文書館は東北で最初に作られた公文書館、とのことでした。
しかし開館したのは今からたった28年前の平成5年11月。
県立図書館が明治32年に開館したので、秋田県の公文書館の開館は図書館に遅れること何と94年…。
これだけ見ると、「やっぱり東北や秋田は田舎だから何でも遅いんだなぁ」と思いがちですが、ことアーカイブに関しては「東北だから」「秋田だから」どころではなく、国家全体として遅れているのです。
明治維新の性質上アーカイブは後回しされ、大蔵省など一部の組織では、個々に文書管理を行ってはいたものの、それが国家全体としてアーカイブを行うまでには至りませんでした。
そして、明治以来のアーカイブ“軽視”が未だに続いている、というのが現状です。
アーカイブ“軽視”は、図書館や博物館に比した公文書館の数に如実に表れています。
さて、森友問題をはじめ昨今公文書管理が話題になることが多くなりました。
アーカイブについて関心が集まっている今こそ、きちんと「アーカイブとは何か」ということを学ぶ必要があるのではないでしょうか。
そう思わされた1冊です。