読書感想文:大藪海『応仁・文明の乱と明応の政変(列島の戦国史②)』 | 倉山塾東北支部ブログ

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大藪海『応仁・文明の乱と明応の政変(列島の戦国史②)』(吉川弘文館 2021年)読了。

 

本書は6代将軍・義教が暗殺された嘉吉の変から話が始まり、応仁・文明の乱後の明応の政変までの通史。

 

応仁・文明の乱は、前巻の享徳の乱ほど分からない、というわけではないが、自分が興味関心のあった戦国時代の前の時代、言ってみれば戦国武将たちの祖父や親の世代の話なので、人物関係などはあまり知らなかった。

 

室町時代は戦国大名が出てくるまでは学校でもそれほど踏み込んで取り上げられることもなく、ただ年表を覚えさせられるだけ、みたいな感じだったので、つまらないと感じていたものである。

 

ところが大人になってから改めて色々と本を読み直してみると、つまらないどころか、実に面白い。

 

塾長の本やくららの番組、そして大河ドラマの『太平記』などで、室町の魅力に改めて気づかされた。

 

さて、享徳の乱については起こったのが関東だったので東北へ与えた影響も大きいものがあったことは前巻の通りである。しかし、応仁・文明の乱は京都で起こった争乱なので、乱の影響が東北にまで及んでいたというような記述はなかった(北陸・東海・畿内・山陰・山陽・四国・九州についてはそれぞれの地域のことを詳しく取り上げていた)。

 

確かに応仁・文明の乱が群雄割拠の時代へのきっかけとなったということはあるかもしれないが、東北への影響は享徳の乱の方が遥かに大きかった、ということなのだろうか…。

 

ともあれ、いよいよ次巻以降から戦国大名がぽつぽつ出てくる。

 

楽しみである。

 

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