読書感想文:松本伊智朗・湯澤直美 編著『生まれ、育つ基盤 子どもの貧困と家族・社会』 | 倉山塾東北支部ブログ

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松本伊智朗・湯澤直美 編著『生まれ、育つ基盤 子どもの貧困と家族・社会』(明石書店 2019年)読了。

 

私の身の上話を少し。

 

自分自身貧困と言っていい家庭で育ってきた。友達が、「○○に行ってきた」と話していたり、きれいな家に住んでいて自分の部屋を持っていたり、いろんなゲームを持っていたり、など、とにかく自分がしたくてもできないことをしていたり、持ちたくても持てないものを持っていたりすることが羨ましく思ったことも一度や二度ではない。

 

父も母も非正規雇用。家計はいつでも火の車。

 

子ども心に「何でウチは貧乏なんだろう?」とか、「俺がしっかりしないと…」とか思っているうちに、段々「別にそんなの持っててもしょうがない。自分には必要ない。」「どうせあの世にはカネなんて持っていけない。カネを持ってりゃいいとばかりも言えないが、やっぱり人並みの生活はしてみたかった…」と諦めの気持ちが出てきて、その果てに劣等感の塊みたいな人間になった。

 

大学の進学にしても、経済的な理由の他に父親のDVの問題もあった。妹はいるもののいずれ嫁いでいく身なので自分が残らなければ足の悪い母が心配、ということも考え、県外に出ることすら叶わなかった。

 

だから、自分と似たような境遇にある子どもや若者がいない世の中にしなければならない、と強く思うようになった。

 

さて、そんなようなことで、まずは自分と似たような、あるいはもっとひどい環境にいる子どもたちのことを知らねば、と思っていたときに見つけたシリーズの第一弾。

 

関心のある方には一読を勧めたい。

 

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