倉山満『嘘だらけの日中近現代史』(扶桑社新書 2013年)読了(2回目)。
嘘だらけシリーズ第2弾。
ということで、本作は中国。
中国史は、古代から現代に至るまで、延々と8つの過程を行ったり来たりしているだけという、何ともつまらない、しかしパターンが分かりやすい歴史だということがよく分かる。
独裁の古代と殺戮の中世を延々と繰り返しているという、なんとも恐ろしい状況であるが、だからこそ「力がすべて」「陰謀でごまかす」という思想・言動が染みついてしまったのだろう。
そんな恐ろしい社会に生まれなくてよかったとつくづく思う。
その一方、そんな中で他人を出し抜いて頂点に上り詰めた毛沢東という人物の恐ろしさも感じた。
内部の権力闘争にさえ勝てばよい、人の命なんて「何それ、おいしいの?」というおよそ人間とも思えぬ感覚。
「所詮、モノの限度を知らない相手とは分かり合えないのです。」 (p236)
こんなヤバい連中と対峙するには、やはり力が必要だ。
彼らに通じる唯一の言葉が「力」ならば、こちらが彼らを上回る力をつけるしかない。
「世界は結局のところ軍事力で動いているという現実は今も何ら変わっていないのです」(p266)
つまるところ、最後に頼りとなるのは己の武力。
武力を磨いておかねば、何をするか分からないキチガイから身を守ることができない。
賢くなることもカネを持つことも、全ては危険な連中に備え、日本を守り抜く力をつけるために必要なのだ。
現在の日本の国防の問題点を改めて考えさせてくれる1冊。