9.11で世界は変わった。
いわゆる「イスラム国(IS)」が前近代的なイスラム教解釈を主張し、西側(キリスト教)世界に牙を剥いた。彼らを原理主義者と呼び危険視し、あたかも穏健的なイスラム教の国々とは相いれない集団と認知してきた。しかし、著者は穏健的なイスラム教指導者もISの主張を否定できないと言う。コーラン(イスラム教の聖典)は、コーランに書いてあることの文字通りの行動を信者に要求するからだ。コーラン内部に矛盾もあるが、それは神の深い思慮によって為されており、その真意は人間ごときが知るすべが無いとしている。
従来は宗教学者が法解釈をして、現実との整合をとり現実的な路線を歩んでいたが、インターネット、自動翻訳が普及したことで、信者が誰でもコーランにアクセス出来る時代になったことにより、イスラム世界にIS的な要素が広がったとしている。
我々は、彼らの価値観と相いれなくても、それは仕方がなく。彼らの価値観と共存する時代になった。
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