県をまたぐのはお控えいただきたいこのご時世に、
あえて地元の美味しいものを紹介するのはどうだろうか。
天邪鬼のひねくれ者たる私はどうしても世間に反発せずにはいられないのである。
長野県
中部地方とも甲信越とも言われるこの県は、
その面積と立地からか隣接する県がとても多い。
なんと8つの県と面しているのだから驚きである。
お隣さんだらけである。
そんなご近所付き合いに四苦八苦しそうな長野県で今回紹介するのは、
ズバリうまいものについてである。
つまるところ飯テロ記事である。
お腹をすかせた諸君にとどめを刺そうと言うのが、
本記事の主眼であるので、
これをみて長野県のうまいもんでも取り寄せていただけたのならこれ幸いである。
あと先に断っておくが私は蕎麦アレギーであるゆえ、
長野県の最大の名物たる蕎麦に関しては話さない。
それは蕎麦を食べられる人がするべきである。
では参ろう。
【駒ヶ根 ソースカツ丼】
県外の諸君には長野県に豚肉のイメージはないだろう。
しかし、県内といえば誰もが歌い踊り出す伝説のCM、
信州ポークが大変有名である。
そして、そんな信州ポークを使って…いるかは定かではないが、
べらぼうにうまいカツ丼がある。
駒ヶ根発祥のソースカツ丼 「明治亭」である。
ただのソースカツ丼と侮るなかれ、
これがとんでもない化け物なのだ。
まず山と見紛うほどの体積である。
いや、さすがにそれは言い過ぎだが、
しかし一人で食すにはいささか冒険しすぎであるほどの量であることは確かである。
分厚いとんかつはもちろんのこと、
これでもかと言わんばかりに盛られた食物繊維キャベツマウンテン。
そしてツヤッツヤに炊き上げられたご飯がそれらを支える。
ボリュームで不満を言わせないのは、このカツ丼確かなところである。
しかし、何をおいても特筆すべきはそのソースである。
とんかつソースといえばブルドック?
冗談おっしゃいである。
いとおかしである。
ここのソースは甘口でありサラッとしている、他にはない唯一無二のソースなのである!
これがもう非常に美味!!
私はこれを食べて育ったので、これ以外のカツ丼を知らなかったが、
正直、都会の人間はこんなまずいソースカツ丼しか知らないのだと思うとかわいそうで涙が出た。
それくらいうまいのである。
カリッサクッじゅわ…っと溢れ出す肉汁と甘辛いタレが絡まった衣。
ウスターよりもサラッとしたソースはしつこく無く、
口の中にほのかな甘みと旨みを残して消える。
なんと美味しいのか!!
重さはとんでもないほどに重いが、
しかし、不思議と食べられてしまう。
付け合わせのおしんこと豚汁まで綺麗にいただき完食である。
静岡にさわやかがあるのであれば、
長野には明治亭ありである。
蕎麦を差し置いて名物になるべき激ウマとんかつ、ぜひご賞味あれ。
続く打者はこちらである。
「山賊焼」
これである。
別に山賊が焼かれたわけでも山賊が焼いたわけでもないが山賊焼である!
なんなら焼いてもないが山賊焼である。
作り方はいたってシンプル。
醤油ベースでニンニクやショウガを効かせたタレに鳥のもも肉を漬け込んで、
片栗粉をまぶしあげたものである。
誰だ今ザンギとか言った奴は。
なんとこれはもも肉一枚をそのまま豪快に揚げる、
山賊もびっくり豪快料理なのである。
誰だダージーパイってとか言った奴は。
こいつもなかなかうまいのだ。
まずもも肉一枚を丸々使っているので、大変ジューシーである。
噛めばあふれんばかりに肉汁が口の中を襲う、やけどにご注意を。
そして小麦粉ではなく片栗粉がまぶされているので、
カリカリ…いやガリガリサクサク食感なのである。
これがまたべらぼうにうまい。
しかもこれのいいところは、長野県だったらどこでも食えるところである。
スーパーの惣菜コーナーには必ずと言っていいほど我が物顔でそこに鎮座ましましているのである。
今夜のおかずに、部活帰りに単品で、ファミチキ代わりにこれを食うのである。
一度食べたらやめられない。
長野県が誇るソウルフード、山賊焼一度はご賞味あれ。
続きましたるは
「OYAKI!!!!」
おやき!!!
パパ、ママ、おにいちゃん、おねえちゃん、おじいちゃん、おばあちゃん、お隣さんも大好きおやき!!!
中に様々な具材を入れて、小麦の皮で包んで焼いたおやき!!
子供に大人気な肉味噌…。
甘党にはあんこ、長野県家庭の味切り干し大根、みんな大好き野沢菜などなど…
ありとあらゆるものを入れて良い日本風肉まんである。
硬い肉まんなどと侮るなかれ、
これ実は冷めても美味しいのだ。
夕飯の残りの煮物なんかを包んで翌日の朝食や間食用にするなんていうのも一つの手だろう。
特に汁のあるものを包むと、それが生地に染みて最高のご馳走になる。
もちろん、おもてなし料理としても問題ないポテンシャルは持っているだろう。
長野県のサービスエリアで休憩した際には、運転のお供にいかがだろうか?
保存も効くので通販で購入しても美味しく食べられる。
私の一押しは冷めた野沢菜のおやきである。
あれに勝るおやきを私はまだ知らない。
さてお次は…
「バッタソフト」
そうですついにふざけ出しました。
私の出身地、諏訪湖畔に存在するソフトクリーム屋で実際に販売されているバッタソフトである!!
バッタと言いつつ、上に乗っているのはイナゴの佃煮。
軽い口当たりのコーンに柔らか冷たいソフトクリームが乗り、
そこにイナゴの佃煮が突き刺さる!!!
どうしてこうなった!運命のいたずら、出会ってしまった出会うはずのない二人!
佃煮にされるだけでも予想外のイナゴにさらなる悲劇が襲う!!
どう考えても悪ふざけである。
諏訪の人間が本当に申し訳ない。
ちなみに諏訪はかの有名なアル中カラカラ氏の所在地でもあるようなので、
なんというか、さもありなんといった具合である。
味はというと、わざわざこんなことしなくても良い間が半端ない。
ソフトクリームはソフトクリームとして美味しいし、
イナゴの佃煮はイナゴの佃煮で、これは見た目に反しそこそこ美味しい食べ物なのだ。
しかし、乗せることはなかったろうに…。。
佃煮の甘しょっぱさが、ソフトクリームの甘さと絶妙に絡まない。
見事独立している。
引き立てもしなければ邪魔もしない。
どこまで行けども味の平行線である。
見た目ばかりグロいだけのバッタソフト…まあ、機会があれば食ってみるのも良いかもしれない。
オススメはしないが、話題にはなるだろう。
あと地味に高い。
他にも海がないのになぜか塩丸イカというイカが名物になったり、
取れもしないのにうなぎは名物になったり、
色々観光PRに失敗している、
こんな長野をどうぞよろしくなのである。
蕎麦の他にも、りんご、ぶどう、梨といったフルーツも美味しいし、
レタス等の高原野菜やキノコ類、
乾燥しているからこそ作りやすい寒天なんかも名産である。
ぜひ、こんな時勢だからこそ、各地の名産品をおとりよせしてみてはいかがだろうか?
ぶたさんのmy Pick