TRPGというものをご存知であろうか?

テーブルトークロールプレイングゲームの略称であり、

要は机を囲みながら会話し役になりきることで遊ぶゲームの通称である。

 

おそらく多くの人が子供の頃におままごとやごっこ遊びをしたことがあると思うが、

これはそのごっこ遊びにルールを定め、対象年齢を引き上げた遊びである。

 

芝居を知る人であれば、ゲーム性のあるエチュードといった方が伝わるであろう。

役者の趣味としても大変お勧めである。

 

さて、TRPGの魅力について語りたいところではあるが、

幸いにもこの界隈には性質上物書きが多く、

魅力は様々な記事で様々な観点から語り尽くされているところだと思うので、

私はこのゲームをプレイしていく中で、

より楽しく遊ぶためにはどうしたらいいのか、

気がついた範囲で記していこうと思う。

 

あなたのTRPGライフの一助になれば幸いである。

 

 

キャラ制作は外交的なものがオススメ

 

多くのTRPGにおいて、プレイヤーが動かすキャラクターはプレイヤー自身が制作することが多い。

名前、性別、年齢、出身、経歴…。

初心者の多くは自分に近いものがロールプレイしやすいことが多いので、

私は初心者に対しては「なるべく等身大のキャラの方がやりやすいよ」と伝える。

しかし、今回はそこから一歩踏み込んでみたい。

 

こんな経験はないだろうか?

「今日のセッションはあまり話せなかったな。」

「PCやNPCと関係をあまり築けずに終わってしまった。」

「他の人がシナリオを進めて、気がついたら置いてきぼりになってしまった。」

「大事なシーンに居合せることができなかった。」

などなど。

 

もちろん環境やキーパリングも影響してくるが、

キャラクター制作を間違えている可能性もある。

 

要は内向的なキャラクターを作ってしまっている可能性があるのだ。

「この子はインドアで内気な性格で…。」

「無口でクールなキャラです。」

「警戒心が強くて懐くのに時間がかかります。」

もちろんそれも魅力的なキャラクターである。

これが小説や漫画であればそのキャラクターが活きる場面も必ず用意されるし、

そのキャラクターが憧れの対象になることもあるだろう。

 

しかし、これはTRPGである。

トークすることで進行し、トークすることを主眼に置いたゲームである。

 

インドアで内向的で無口でクールで警戒心の強いキャラクターを

引き立たせるためのあなたに興味津々で話しかけてくれるキャラクターの存在は

確約されていないのである。

もちろん、このようなキャラクターがいることによって巻き起こるドラマも存在する。

がしかし、なんども言うがこれらは確約されていない。

それに、内向的なキャラクターを輪の中に入れると言うのは、

周囲にとって大きな負担たりえてしまうのである。

 

事前の相談がない場合には外向的であり積極的なキャラクターが好ましいであろう。

 

 

楽しくなる合言葉は「YES」

 

セッション中にこんなことをいってしまった経験はないだろうか?

KPの発言に対して

「私のキャラクターはそんなことしません。」

と一周し周囲を困らせてしまったことは。

 

おそらく誰もが通る道である。

自分のキャラクターと真摯に向き合った結果、

その結論にいたることは往往にしてある。

 

どうやら路地で子供が悪漢に襲われているようです。

あなたのキャラクターはどうしますか?

「子供が嫌いなので通り過ぎます。」

「怖いので関わりません。」

もちろんそれもキャラクターの考えに寄り添った行動である。

 

しかし、これはTRPGである。

もしくは「セッション」である。

 

KPの出した音に対して自分の楽器であるPCを合わせていくのがTRPGというセッションである。

 

じゃあ何でもかんでもKPの言うことにYESっていってたらいいのか?

そう言うわけではない。

子供嫌いなPCでも良いし、怖いのが嫌いなPCでもいい。

ただ、そのPCがYESと言える理由をつけてあげるのが親してPCを生み出したPLの責任である。

 

「このキャラクターは子供が嫌い…ですがお金が大好きです。子供の身なりがよく見えたので、もしかしたら子供を助けたら親がお礼をしてくれるかもしれないと打算をして助けに入ります。」

「このキャラクターは怖いことが嫌い…ですが、そもそも子供時代に今のような状況で襲われたのが原因でした。子供時代の自分と少年を重ねてしまい、気がついたら足が動いていました。」

 

どうだろうか?

むしろ一転してコミカルになったりドラマチックになってはいないだろうか?

これらの工夫により、セッションがより色濃く、印象的になっていくのである。

 

NOを突きつけるのはTRPGにおいて至極簡単である。

しかし、それではつまらない。

 

慣れてきたらアドリブで友人に設定をつけ生やしても良いのである。

「そういえばお前〇〇だったよな?」

察しのいいRP上級者であれば、すぐにそれを汲んで話を進めてくれることだろう。

 

そして、これはKPにも言えることである。

TRPGは電子制御されているゲームではない。

つまるところ自由度と言うのはキーパリングによって左右される。

 

PLの提案を全てNOで返していないだろうか?

もちろん、シナリオ進行をし、終始して理路整然としていなくてはいけないのがKPである。

ルールはなるべく遵守されるべきであり、シナリオ上に記載のないものを突っぱねてもいい。

しかし、慣れてきたらPLの提案を受け入れる遊びをしてみてほしい。

 

きっと彼らのおかげで世界観が広がる様を見れるはずだ。

 

私も同じシナリオを何度か回していたはずなのに、

PLがアニメキャラを持ってきてしまい、アニメキャラに合わせて進行をしていたら全く違う痛快シナリオのようになってしまったことがある。

あの場にいる全員が「YES」と言っていなければ、あの光景は見られなかっただろう。

 

ただし、KPの場合は自分が回収できる範囲での提案にとどめておくことというのも、

ここに追記しておく。

KPがまず避けるべきはシナリオの整合性の崩壊であるのだから。

 

 

いかがだったであろうか?

全体的に言えることは何をするにも肯定的であった方がTRPGにおいては楽しめるという話だった。

皆さんも合言葉「YES」を頭に入れてTRPGライフを楽しんで見てはいかがだろうか?