【ダイエット】
ダイエットとは、体重を減少、維持、または増加させるため、あるいは糖尿病や肥満などの疾患を予防および治療するために、規制された方法で食事をすることの実践である。体重減少はカロリー摂取量に依存するため、様々な種類のカロリー制限ダイエットは、互いに効果が優れているとは示されていない。
(Wikipediaより)
こんにちは諸君、栄養士の対義語こと私である。
今年もやってきた健康診断。
他人の体を、やれ健康だ不健康だと、たかだか紙の1枚で揶揄し、しきりに再検査を勧めてくる厚顔無恥で傍若無人なイベントである。
(本稿はジョーク記事であり、医療従事者の皆様を批判するものではありせん。真に非難されるべきはこの世界で私一人だけです)
【はじめに】
昨年度の健康診断は非常に気合いが入っていた。
なんと、生まれて初めてのジムに通い、隙あらばウォーキング、仕事終わりに筋トレ、野菜とチキンとプロテインを摂取するという偉業を成し遂げた。
あれから、早一年である。
やってられるかと冬にジムを退会し、近所の二郎系ラーメンをすする日々。
歯止めの効かない食欲と、膨れるお腹。
首周りはエリマキトカゲの如く肥大化し、肩幅はたくましくなる一方である。
さて、事の起こりは4月末のこと。
家でホコリを被った体重計が恨めしそうに私を見上げていた。 『昔はあんなに体を重ねたじゃない!』と人生で一度も言われたことのない幻聴すら聞こえてきた。
間違いは誰にでもある。
つい魔が差した私は体重計に乗ってみる事にした。
[66.5kg]
え…?
体重計を降りて、再度乗り上がる。
もしかしたらきちんとバランスを取れていなかったのかもしれない。
きちんと重心を捉えてないと、間違った計測結果がもたらされる(気がする)じゃないか。
やり直しやり直し…。。。
[66.5kg]
オーマイダーティ…なんて醜体。
ここで申し上げておきたいのが、私は身長が162cmしかないクソチビゲロブスメガネであるという事である。
体重の評価は身長を参照し考えなくてはいけない。
ちなみに私の身長の平均体重は57.7kg
BMIによれば、あと0.5kgで医学的に認められる“肥満”になる。
な、なるほどね〜。
【ちなみに】
ここで寄り道、私の食生活をご覧頂こう。
例えば大好きな二郎系ラーメンである。
最寄り駅に出来てしまったが故に、私はそこに通いつめていた。
コールはいつも「全マシ(ヤサイアブラカラメ)」である。
どういう意味かといえば、キャベツともやしを増量して、味付きの脂身を増加して、味を濃くしてくれというものだ。
これを、週に2回は食っていた。
二郎系ラーメンのカロリーは1500〜2000kcalとされている。
これだけで一日の摂取カロリーを賄うことが出来てしまうスーパーフードであるが、ちなみにこれは“1食”の話だ。
他にもペヤングは必ず超大盛り(通常のペヤング2つ分)を1食で食べる。
マクドナルドに行けばてりやきマックバーガーのLセットとポテナゲの特大を頼む。
つまり、バーガー、ポテトL、ポテトL、ポテトL、チキンナゲット15Pである。
ああ、もちろんこれも“1食”の話だ。
そろそろ読者諸君の悲鳴が聞こえてくる。
我が導きのバーガーキングにおいては、WHOPPERのセットをふたつ頼んだ上で、サイドメニューのサンデーも食べる。
言うまでもなく1食だ。
飯屋に行けば大盛り+サイドメニューは当たり前。
回転寿司の会計が2000円を下回ったことは生まれてこのかた1回も無い。
カロリーとエンゲル係数がロケットエンジンを付けてカッ飛んでいくのが、私の食事であり生活である。
全国の栄養士が失神したところで、話を戻そう。
流石に“ヤバい”と感じたのである。
私は"ぽっちゃりした女性は可愛い"と感じる癖の持ち主であるが、同時に男のデブは醜いとも思っている。
「いや、思ってるならこうなる前にやめろよ」と言われそうであるが、「やめれてたらこうはなってねぇだろ」となんの意味もないカウンターを決めさせて頂く。
おそらく判定負けだろう。
それに健康診断である。
昨年度よりも数字が増えてしまうのは本当に嫌だ!!
去年の自分に負けるというのはどうにも業が沸く!
【というわけで】
しかるに、ダイエットである。
せめて昨年度の健康診断の結果である58kgまでは戻す!
確固たる意志を持って、私は職場の同僚に尋ねることにした。
後に、私から“師匠”と呼ばれる彼は、背が高くスリムであり、おおよそ私を反転させたような存在である。
そんな“逆私”に、私は現在の体重を伝えて相談をした。
何やら1kg痩せるには○○kcal消費しなきゃいけなくて〜などと小難しい話をされたが、おおよそ素人である私に理解出来る話ではなかった。
しかし、結論を聞いて震え上がることになる。
「つまり、健康診断までにそこまで落としたいんだったらら一日に摂取して良いカロリーは700kcalですね〜」
「「ななひゃく!?!?」」
私と師匠の声が同時に驚嘆の意を評した。
いや、私が驚くのは分かるが、なんで言った本人もビビってんだ。
700kcal
つまり二郎系ラーメンが3日断食して食える計算である。
「え、何食えばいいんですか…?」
「1食に、米150gと鶏胸肉150gっすね…あとは他に食べていいものリストにして送っとくんで、頑張ってください」
「あ…はい。」
なんじゃそりゃという感想しか浮かばなかった。
なんだその虐待みたいな食事は?
俺愛護団体が早くも講義のデモを俺会議事堂の前で行っている。
そんなもんしか食わなかったら、俺はちゃんと死ぬんじゃないか?
しかし、ご丁寧にリストと気を付けるべきポイントを長文で師匠が送ってくださった手前、成し遂げるしかない。
既に幕は上がってしまったのだ。
Show must go onの理念は私の精神に深く刻み込まれている。
やるしか…なくなってしまった。 最初の頃は律儀にその言いつけを守っていたが、最終的な生活は大きく様変わりしていた。
【実践編】
私の1日は主にこうだ。
朝、歯磨きの後にマルチビタミンのサプリメントを飲む
昼、セブンイレブンのサラダチキン(スモーク)を食べる
夜、歯磨きの後にマルチビタミンのサプリメントを飲む
以上である!!!!!
なんと摂食物はこれで終わる!!!!
水やお茶、コーヒーやコカコーラプラス(0kcal)は際限なく飲むが、およそ口に入れる固形物は上記のもので終了である。
「おかしい、聞いてた量と違う!」
そう仰られる皆さんのお声、私の耳にも届いております。
しかしながら、私は馬鹿なのです。
とりわけ数字を考えるのが大層苦手で、割り勘はどんぶり勘定、簡単な四則演算も2桁になると電卓を使い、Excelはそうそうに諦めた。
そんな私が一日のカロリー計算が出来るわけないのです。
というよりも、食べる物のカロリーをいちいち調べるのが面倒になってきたのが本音かもしれません。
つまるところ「何食っていいか分かんねぇし、鶏胸肉だけ食ってりゃいいだろ!」の精神です。
これが、私のパワー系ダイエットの全容である。
そう、なんと全容なのだ。
恐ろしいことにこの男、運動を一切排して、リバウンド必至の食事制限という誠に愚かな行為である。
ではこのダイエットを1ヶ月続けて私が得た経験と知見を表題ごとに見ていこう。
ちなみに、私はあまりこういうことを言わないのだが、ここまで見た諸君は必ずこの文書を最後までご一読頂きたい。
普段は愚にもつかない内容を書いているので、好きなところで読むのをやめても人生になんの影響もないが、今回ばかりは途中でやめるとマジで危険なので、本当に最後まで読んでいただきたい。
【思ってたより痩せる!】
そう、一見バカに見えるが、数字としてはマジで痩せるのである。
5月1日から開始し、31日までの計測でおよそ7kgの減量に成功した。
日々体重は変動するものの、健康診断1ヶ月前の6月9日時点で平均57kgに達している。
体型もみるみる変わり、鏡に映った自分の体には、しばらく疎遠だった肋骨がこんにちはするまでにもなった。
【効果を助ける系と相性抜群!】
”体脂肪を減らすのを助ける機能”という文言を、皆様も耳にした事があるだろう。
あれって実は、体にエネルギーがないときに、動くためのエネルギーとして脂肪を使う機能をONにする役割というのが、よりわかりやすく噛み砕いた効果であるらしい。
つまるところ、そのような効果のものを摂取したとしても、お腹いっぱい食べてたらエネルギーが満タンの状態なので、体脂肪は減らないわけである。
しかし、今回のバカクソダイエットでは基本的に体は常にエネルギー不足に陥っている。
体脂肪使いまくりフィーバーの開催である。
さらに、体脂肪をエネルギーとして使用できるために、基本的に空腹だったとしても動けなくなるという事態が発生しないのである。
【ダイエットはマラソン】
1日1サラダチキン生活を続けていた私であるが、毎日やっていたわけではない。
カロリー摂取を一週間という大枠で捉えたのである。
先ほどの話を例に挙げれば、1日で700kcal、つまり一週間の総摂取カロリーが4900kcalを超えなければOKという計算になる。
セブンイレブンのサラダチキン(スモーク味)のカロリーはおよそ一つ100kcal 一週間同じ生活をすれば単純計算で700kcal/毎週になる。
つまり!!最終日に4200kcalの脂質の爆弾を食っても痩せるのである!!
これがバカクソダイエットの真髄である。
バカみたいに食わない日が多いから、バカみたいに食ってもなんとか帳尻が合うという、バカが弾いた電卓が導き出した到達点である。
私はTRPGという、非常にブドウ糖消費量の激しいゲームを好むので、それをする日はドカ食いしてゲームに備えていた。
にもかかわらずこの結果である。
ただし注意点として「カロリーマージン」を意識する事が重要である。
ある言葉みたいに言ったが、そんなものはない。
私が作り出した概念である。
マラソンを想像してみて欲しい。 私はトップランナーで先頭を走っている。
後ろからは鬼が追いかけてきており、追いつかれたら捕まってしまう。
なのでまずは全力で走る!サラダチキンしか食べないという全力疾走を見せつけ、鬼との距離を離すのだ。
ある程度距離を離したら休憩しよう。
二郎でもワッパーでも好きなものを食べて落ち着くのだ。
食べ終わったらまた走り出す! こうして鬼に追い付かれない安全距離を常に確保しておく、これが「カロリーマージン」である。
”この日は食べたい”と思うのであれば、その日のために走るという意識が大切である。
少し伝わりづらいが
「今日食べちゃったけど、明日から頑張れば良いよね!」
ではなく 「あの日に食べたいから、今日は我慢しよう!」
という思考が鍵である。 食べたいものを食べるのは、努力をしてからである。
借金はしないに越したことはない。
【デブは理論上、餓死しない】
私が好きな言葉である。
どこで聞いたのか記憶にないが、デブが餓死する時はガリになった時であるという強烈な説だ。
インターネットで出典を探してみたが、出所が見つからなかったのでデマかとも思ったが、専門家に実際に話を聞いたところ、栄養失調にさえ気をつければ、なんと可能らしい。
ここで挙げられていた懸念点としては、ビタミンやミネラルなどの不足による栄養失調であり、それらをサプリメントで補えば”理論上”ではあるが可能らしい。
実践してみるしかないではないか。
ビタミンはマルチビタミンのサプリメントを飲めばいい(ことにする) ミネラル不足は塩を舐めればよい!
なんと塩は0kcal!摂取し放題である!
そんなバカな思いつきを実践した結果が今回である。
良いか諸君、合言葉として唱えよう!
『デブは餓死しない!!!!』
【すっごい飲む!】
果たしてこれがダイエットに直接の影響を与えているかは甚だ疑問であるが、私はとにかく水分を摂取する。
そりゃあもう過剰なまでに摂取する。
例えば、職場に出勤してから3時間で1.5ℓ分の水分を消費してしまう。
1時間につき500mlペットボトルが一つ消えている計算だ。
……え、飲み過ぎじゃない!?
これが満腹中枢に影響していたりだとか、ダイエットに効果的だと良いな〜などと考えているが、実際どうなのか知らない。
これは、根拠をもとに知識を流布するという話ではなく、他の人と私が決定的に違う点なのであえて取り上げさせていただいた。
これ以外の項を試して再現性がなかった場合の保険として一応書いておく。
【商品紹介】
ここで私のダイエットを支えたメンバーを紹介しよう。
いったんこれだけ摂取して、私は元気に痩せることができたという一つの例として挙げさせていただく。
ちなみに、これが必ずしも成功例ではないということをご承知おきいただきたい。
セブンイレブン サラダチキン スモーク味
私のお供である。
昼になれば、これを買い、喫煙所でニコチンを補給したのちに、これを食って昼休憩が終わる生活を送っていた。
どれだけ煙が好きなんだという話ではあるが、これだけ好きなのであると表明しよう。
タンパク質も高く、カロリー脂質共に低いので優秀である。
味の好みは十人十色なので、別にこれ以外でも構わない。
大して美味しくないサラダチキン、せめてご自身のお好みの味でお楽しみ頂ければ幸いだ。
・コカコーラ プラス
ただのコカ・コーラゼロではない。プラスだ!
なんだかよく分からないが難消化性デキストリンなる物質が入っており、それがなんかいい感じにしてくれるらしい。
ぶっちゃけ難しすぎてよく分かっていないが、インターネットによるとダイエットに効果的だそうだ。
私としては、罪悪感なく甘いものを飲めるくらいの認識だったが、これも何か効果があるかもしれないので記載しておく。
・マルチビタミン
サラダチキンしか食べない生活において、気になるのがビタミンである。無理なダイエットは肌をボロボロにするとあるが、俺の小さな脳みそが“それってビタミン不足じゃね?”との答えを弾き出したのでスタメン入りを果たした。
効果の程は定かではないが、私のお肌は健康が保たれ、コンビニで年確をされてタバコが買えないという不測の事態に陥ったので、おそらく有効であった(と考えたい)
【一ヶ月後】
さて、これらの儀式を一か月行った私の体重はというと… 57kg
健康診断まで残り1か月を残して目標達成である。 察するに、私は(若さもあるだろうが)太りやすく痩せやすい体質なのだと理解した。 たった1か月で9kgの減量に成功したのである。
しかし、同時に異変が起き始めた。
同じ生活を続けると、どうも体の調子が悪くなり始めたのである。
体が重くなり、頭の回転が緩慢になり、怒りっぽくなってしまう。
メンタルも浮き沈みが激しくなり、朝起きれないことも増えてきた。
どういう原理かはわからないが、私はこう結論づけた。
『平均体重下回ると無理できない!』
これである。
統計学的な平均には必ず理由がある(はず)。
ここからの残り一か月は食事の量を増やすことにした。
おにぎりを追加したり、一週間に一回はいつも通りの暴飲暴食をしたりなど。
しかしながら、そこから劇的に体重が増えるということはなかった。
二郎を食べたり、バーガーキングを食べたり、サイゼで欲望のままに注文などしたりしても、大きく増加することはない。
その前後でキチンとカロリー計算した食事を取れば、緩やかに痩せていった。
そして来るXデー。
健康診断の日に叩き出された数字がこちらである。
【結果発表】
体重
昨年度:58kg→今年度:56kg
腹囲
昨年度:75cm→今年度:72cm
勝ったぁぁぁぁああああああ!!!!
完全勝利私UCである。
なんなら筋トレという前代未聞の努力をしていた昨年度よりも成績がいい!!
思えば昨年度は筋トレのためにプロテインというカロリー爆弾を毎日のように摂取していたので、総摂取カロリーは今年度の倍くらいであったろう!!! やはりカロリー制限!!カロリー制限は裏切らない!!!
…さて、この記事を見て真似をしようとする方はいらっしゃるのだろうか?
いや、やめた方がいいと思う。 多分これ、リバウンドするダイエット方法の最たる例であると思う。 実際にリバウンドするかどうかは、今後数ヶ月の私を観測いただいて、皆様に判断していただき、その後にこれを参考にするかをご判断いただければと思う。
また、それぞれの生活習慣などがあるだろうし、私の生活習慣は他の人と比べて、おそらく少し変である自覚はある。 1日に4L以上の水を飲むし、元々ジュースもお酒も飲まない人であれば、近しい結果は得られるであろうが、おそらくそうでない人が大半であろう。
一番は、色々なことを試す探究心と、自分の体の異常にすぐに気がつける敏感さこそが大事なのではないかと愚行する。
本稿に掲載したダイエット方法を試した場合に生じたいかなる損害に対しても私は責任を負うつもりがないということは重々承知していただきたい。
ああ、長い戦いだった(2ヶ月)…。 ただいまカロリー。
君たちとの再会を喜び、本稿を締めたいと思う。