カメラのこと。
いくつかあるわたしのフィルムカメラのひとつに、母とお揃いのオリンパスμⅡというものがある。もともとは母親にプレゼントしたのが最初で、わたしが後から自分用に買い足したのだ。当時わたしはリコーGR1sと京セラT-proofのふたつを使っていたのだけど、T-proofのほうがちょっと調子悪くなっていた折り、たまたまμⅡのデッドストックを発見したということもあって、母親の撮った写真を見てなかなか気に入っていたμⅡをピンチヒッターにと追加したのだった。
T-proof。テッサーのにくいやつ。
でμⅡ。母にあげたのはシルバー。
μⅡにはパノラマスイッチがある。まったくもって不要なのに、何かの拍子にうっかりパノラマがオンになってしまってたりする厄介な代物だ。この時代のコンパクトカメラにはパノラマ機能がついているものが多い。旅行に行って風景を撮るときなどへの配慮、もしくはユーザーからの要望だったのかもしれないけど、写真をやっている人たちにはまことに評判が悪い。
わたしもシンプルなものが好きでフィルムの単焦点コンパクトを使っているものだから、当然パノラマなどに用はない。GRもT-proofもパノラマがついていないことが密かなお気に入りポイントだった。
あるときμⅡで撮ったフィルムを現像すると、見覚えのないパノラマのコマを発見。なんと、うっかりパノラマスイッチがオンになってしまっていたのだ。写真の師匠であるR氏が「GRレンズは絞り5.6が正義」という信念のもと、絞りダイヤルをパーマセルで固定して5.6オンリー仕様にしているのにあやかって、わたしもパノラマスイッチに上からパーマセルを貼って動かないようにした。
差し色のつもりなのだろうけど、そこにしか使われていない明るいグリーンの文字も気に入らなかったし。なに、黒に緑って。アメコミか。デザインについて言えばそもそもあまりパッとしないんだけれど、μⅡ。
と、前置きが長くなった。
いかにわたしがパノラマを憎んでいるかということが言いたかったのです。
その後実家に帰ったときに母のミューⅡを手に取ってみると、背面にあの忌まわしきパノラマスイッチがない。なにそれ?そんなことあるの?
いろいろ調べてみると、ミューⅡの海外バージョンのStylus Epicというモデルにはパノラマスイッチがないことがわかった。ほら見なよ、日本人だけだよあんな機能ありがたがるの。
でも母のミューⅡにはきっちりと「μⅡ」と書かれてあり、Stylus Epicではない。これは新宿で中古で見つけたものだったのだけど、もしかして海外モデルを購入した元のオーナーが日本で修理してフロントカバーだけμⅡ仕様になった隠れStylus Epicなレアな逸品なのでは… などと想像力を豊かにしてみたりもしたが多分ない。
それ以来わたしの中で母のμⅡの素性がずっと気になっていたのでした。
それから早や幾年。
今日、というかさっき、ふと思い立ってμⅡの画像検索をしたら、見つけた!パノラマレスのμⅡ。URLは「○○.cn」とある。なんと中国モデルだったか。海外モデルはすべてStylus Epicだと勝手に思い込んでいた。
ない!パノラマがない!
ていうか背面パネルも微妙に違う。今度実家帰ったときに確かめてみよう。
一方こちらはわたしの。
パーマセルはがした。まだいたか、このパノラマ野郎!
ひとまず長年の疑問が解決して非常にすっきりしました。
どこかに落ちてないかなー、このパノラマレスμⅡ。新品で。
っていうかフィルムで撮影もだんだん厳しくなってきた。
デジに移行も考えなきゃなー。





