2024年3月30日、東京・新宿でパレスチナ・ガザでの停戦を訴えるラッピングデモに参加した。3月30日はパレスチナ人にとっては「土地の日」という特別な日だ。1976年のこの日、パレスチナ人の土地を収用するイスラエル軍とパレスチナ人との間で衝突があり、6人のパレスチナ人が死亡した。その事件を記憶に遺す日だ。
パレスチナ以外でも世界各地で戦争が行なわれているが、続けていい戦争なんて一つもない。土曜日、私も抗議行動に参加することにした。
パレスチナ・イスラエル戦争に対する抗議行動はこの日世界各地で行なわれたが、東京・新宿で行なわれた行動を主催者は「新宿円周ラッピングデモ」と呼ぶ。新宿駅という巨大施設を取り囲む形で参加者がプラカードを持って立つ、そういう行動だ。私は東口のアルタ前広場でこの行動に参加した。
午後2時から約1時間、さまざまな人がスピーチをした。停戦を求める決議を市議会で成立させた茨城県守谷市の市議会議員、飛び込みでマイクを握った学生…。
私たちをあざ笑いながら通り過ぎる若者もいた。だが、私たちは平和をあきらめるわけにはいかない。
東口での集会の後、私たちは南口へ集約して
「Free Palestine!」
を叫んだ。気が付くと集会にはいろいろな肌の人たちが集っていた。
白人男性たちが言い争うのも目にした。
1人の男性は柔道着の上衣を着ているのだが、その上衣の胸には小さなイスラエル国旗、背にはオリンピックイスラエル代表選手であることを表す「ISR」の文字を印刷した布が縫い付けられている。彼は停戦を求めにここへ来たのではなく、「イスラエル政府の立場」を主張しに来て、パレスチナ国旗やパレスチナの伝統的な柄の布を身に着けた男性たちと口論をしていたのだ。幸い彼らは暴力に訴えようとはしていない。そのうちに言い争っていた集団は集会の輪から離れていった。
パレスチナ武装組織・ハマスはイスラエルを攻撃するにあたりイスラエルの民間人を人質に取った。このことが戦争の終結を難しくしている。
イスラエル人の人質と、ガザの人びとの命の重さは等しい。
だが、解ってほしい。ハマスとは無関係な子供たちを死に追いやっても人質問題は解決しないのだ。人質問題は交渉により解決しなければならない。