確定申告の件で、旦那が姑と会うので
仕方なく同行した。
旦那の実家マンション前に車を停め
旦那が姑を迎えに行く間、
いつものように私は暫し車で待つ。
私は緊急時以外は実家には入らないと
宣言してはや2年、
旦那曰くゴミ屋敷寸前の部屋は
一向に片付ける気配はないらしい。
5分ほどして、旦那と姑が降りてきた。
いつもより伸びた白髪は
相変わらずボサボサで
黒のダウンに、いつもの黒の太極拳ズボン、
因みに今日は義妹は出掛けてて留守との事。
姑を後部座席に乗せ、角を曲がると
義妹が年末から購入を悩んでいる
新築マンションが現れた。
以前にも書いたが、旦那のアドバイスは
ことごとく既読無視されている。
なので、その後のグループLINEは
地元で有名なあのお店が閉店しただの
当たり障りのない世間話が
細々と続く程度だった。
そして、、
そのマンションの脇を通る寸前、姑が
毎回ここを通るたびに、楽しみなのよ。
あぁ、ここまで出来たってね。
今日は日曜で工事はお休みだけどね。
と、言い出した。
（あら？？ なんか口調が？？）
え？ お義母さん、このマンション
もしかして決めたんですか？
うん、そうよ。
先週売主の会社に二人で行って契約したの。
えーー？？
旦那と、私の見事なハーモニーが
車内を駆け抜けた。
あら？ ミサコから聞いてない？
はい、初耳です。
契約したってことは、
ローンの審査降りたんですか？
ローン借りないもの。
え？
俺達にはローン借りるって言ってたよ。
そうですよ、だからコウスケ（旦那）さん
ミサコちゃんに沢山アドバイス
してたんですよ。
計画表までA4びっちり2枚も作って
LINEでPDFファイルで送ってたんです。
ま、ことごとく無視されてましたけど。
あら？ あの子無視してたの？
はい、だからコウスケさんに、
もう止めたら？ って
私が言ったくらいですよ。
あら〜、、
そうだよ、現金で買えるって
言ってくれなかったからさぁ。
今住んでいるマンションなんて
資産価値ないし、、
ってことは、、
現金で4000万以上もあるってこと？？
助手席の旦那が核心に入った。
姑の話を整理すると、、
主な原資は
公務員の財形貯蓄である共済貯金が
限度額の3000万！
（所属している県によって利率が違う。
因みに一番高い利率は神奈川県の1.5％！）
更に、、義妹が姑に月々渡していた食費を
姑が義妹の名前で貯金していた
1000万ちょっと！！
それを聞いた旦那は
え？ そんなにあったの？？
と、唖然
そりゃあ、そうでしょ、
結婚もしないし、子供も居ないんだから
そのくらい普通貯まるわよ。
と、ドヤ顔の姑。。
そして、、寿司屋に移動。
お寿司を食べながら
またマンション購入の話になった。
コウスケがいろいろとミサコの
相談に乗ってたこと知らなかったわ。
はい、コウスケさんは心配性だし、
FPの資格も持ってるので
ミサコちゃんの老後の計画表まで
作ってあげてましたよ。
でも途中から、ミサコちゃんは
完全無視になったので、ここ一ヶ月程は
その話はコウスケさんは控えてたんです。
まぁ、だから、あの子いつか
お兄ちゃんはうるさいって言ってたのね。
はい、ここで
なぜか私の方がキレてしまいました。
50歳からローンを組むというので
コウスケさんがすごく心配してたのに、、
現金で買えるならその事を
私には別にいいですが
コウスケさんには話してほしかったです。
しかも、先週契約したなんて。
昨日だって、世間話のLINEは
ミサコちゃんから来ました。
でも、こんな重要な報告がないなんて
コウスケさんに失礼じゃないですか？
あの子、人の気持ち分からないから。
非常識なとこあるのよ。
（普通はここでは、そんな事ないですよ〜
とフォローするとこだが、敢えて）
ですね、コウスケさんの気持ち
全然分かってないですね。
非常識ですね。
そうよね。でもあの子は一人者だから
私があの世に行ったらあの子のこと
よろしくね〜。
はい、毛細血管が3本くらいキレました。
はぁ？ 無理ですよ。無理。
コウスケさんが沢山アドバイスしても
返事もしない人の面倒なんて
私達は見れませんよ！
しかもコウスケさんが心配してるのは
マンションの件からじゃなくて
ミサコちゃんがうつ病で具合が悪くなった
7年も前からです。
コウスケはあの子と違って
心配性だから〜。
はあ？ コウスケさんは
ミサコちゃんのことだけじゃなくて
お義母さんの事もずっと心配してましたよ！
あら、私が精神科に入院したのは
3ヶ月間までは病院が儲かるからよ。
本当はすぐにでも退院出来たのに。
そう？ すごい重症に見えたけど。
手首も切っちゃうし。
と、ここで、やっと旦那が口を開いた。
あ、やばい、
隣の人がこちらをチラチラ見ている。
お茶をがぶりと飲んで
ま、キャッシュで買えて良かったですね。
と、作り笑いをした。
あの子、私が渡されて
貯めていた1000万を
最初から使う気だったから。
コウスケに言いづらかったのよ、きっと。
はぁ？
別にお二人でやり取りしたお金の事を
コウスケさんが口挟むことないと
思いますけど！
ね〜、コウスケさん。
そうだよ、それは考えすぎだよ。
（3秒沈黙）
あ、そうそう、小紋さんのお母さんは
お元気？
（はぁ？ ここでその話題？！）
はい、昨日も外出してランチしました。
元気です。
そう、なら良いけど、
帰りたいとか言ってたら、
可哀そうだものね。
（出たよ！ 施設に入ってる母のこと
可哀そう可哀そうって言うなよ！）
母は元々社交的なので
食堂で皆さんと和気あいあいらしいです。
と、他愛のない話をして
どこかでお茶したいという姑を
思いっきりスルーして車に押し込んだ。
帰り道も世間話に話を咲かせる姑。
きっと、このババアも
人の気持が分かってない。
そもそも分かっていたら、
こんな世間話は出来まい。
挙句の果てに、旦那が時々出掛けて弾く
ストリートピアノを義妹と聴きたい。
と、言い出した。
旦那はのらりくらり、
旅先で弾いてるし〜。
私は運転をしていたので、完全無視
が、降りるとき、
ミサコには私から言っとくわ。
と、言い残し、降りていった。
私はそれには答えず、
ご馳走様でした。のみ答えた。
数年ぶりに姑からご馳走してもらった
お寿司。
でも正直、味は分からなかった。
帰宅後、旦那は電卓を叩き、
共済貯金の計算をしていた。
私はそれを傍目で見ながら
姑が義妹から受け取っていたという
最初は月々3万円、
途中から月々5万円の食費のことを
少し考えていた。
てっきり、義妹が2人分の食費や光熱費を
出してくれていると勝手に思い込んでいた。
あんなケチで引きこもりのババアと
一緒に住んでくれて。
と、感謝もしていた。
ランチ代はいつも旦那が払っていたのに
その裏で姑は自分の年金等の10万で
2人分の生活費をやり繰りしていたのか。
そりゃあ、ケチにもなるな。
それに、年に一度2人で出かける
的はずれな高価な旅行も
実家暮らしの独身公務員なら余裕だろう。
あぁ、そうか。
いい歳した公務員が食費5万しか入れず
しかもそれを親が貯金し、遠慮なく受取る。
確かにまもなく50歳になるというのに
恥ずかしいわね。
記事を書きながら、今思ったことは
その1000万の出所を姑が
「私が出した」とだけ言えば
2人の生活費のことまで
話さなくても良かったのに。
きっと、娘の食費を貯金してあげていた
「優しく堅実な親の自分」ということを
自慢したかったんだろう。
電卓を叩いている旦那に
なんか、、
私ばかり怒ったみたいになったけど
貴方はなんであまり怒らなかったの？
あれは怒っても良い案件だわ。
うん、でも怒るより先に
呆れちゃったんだ。
心配して損したってね。
その背中に怒りより悲しみを感じ
私はそれ以上口を挟めなかった。
その後、2人で並んで「光る君へ」の
毎熊さんの死に涙した。
長くなるので、続きます。