スピネットチェンバロを入手した目的は
古典調律(不等分率)の探究です。
何せ今のご時世、電子ピアノにはハープシコード(チェンバロ)
スイッチが標準に搭載されており、
古典調律は、安価なモデルでも3種類はあるようです
耳で実践しておくのも大切ですよね
(ピアノで依頼は無いですが)
平均律は1オクターブの音階が均等に分けられているのに対し
古典調律は不等分に分けられており、その種類は豊富で、
ピタゴラス音律、中全律、キルンベルガー、ヴァルクマイスター、他があります
500年以上前から様々な音律が試されてるんですね
また平均律は1オクターブを12平均に分けただけだと思いきや、なんと
↓
15平均律、17平均律、19平均律
22平均律、31平均律、34平均
41平均律、53平均律、72平均律
も、あるようです
詳しい内容は置いといて
一般的に平均律と言えば、12平均律の事を指します
ずいぶん前に買った横田さんの調律本を久しぶりに解読
↓
音楽の中で美しい響きはとても大切であり、
それは濁りのない純正なハーモーニーなのですが
5度を純正にとって1オクターブ内の12音を完成させると、24セント(ピタゴラスコンマ)多めに飛び出してしまいます
↓
なので、オクターブ内で完結する為には
24セントを12音の中でマイナスにして、
帳尻をとらないといけません
12音の中でどうマイナスに振り分けるか❓
500年以上前から色んな音律の方法が考えられました。
大きくは2つ、全て均等か、不均等か、
不均等なら、どんなふうに不均等にするか❓
意味合いを持たせるか❓
以下の5度圈サークル図がわかり安いので説明します
セントの数値は割り切れないので、便宜上、小数点は省きます
以下の3つのサークル図はYouTuberの真三さんの図がとても分かりやすいので使わせて頂ました
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•12平均律
ピアノの調律法として、最もポピュラーなもので、どのように移調しても和音の響きが変わらないという特長があります。
約2セント(1.955…)5度が狭く(4度が広い)を12回繰り返し、
24セント多めに濁るピタゴラスコンマを0値にし、円滑に、均一に、12等分化しています。
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•中全音律(ミーントーン)
長三度のうなりをなくした調律法で、
純正律の特定の五度が著しく不協和であることを改良したもので、
平均律よりも和音が美しく響きます
シントニックコンマ22セントを4つ分けた
-5.5セント(ミーントーン5度)を11箇所の5度に配置し、12音の長三度を純正にする
5.5X11=60約
60-ピタゴラスコンマ24=36セント
E♭〜G#は+36セント(ウルフ)とする事で帳尻をとっている
キルンベルガーIII. とヴァルクマイスター1-3は
よく似ており、特徴として
調号の少ない調は和音の美しい中全音律に近く、
調号が増えるにしたがって緊張感が高く、
メロディが美しいピタゴラス音律に近づけていくもので、
古典音楽の作曲家の意図した「調性の性格」を
反映させることのできる調律法です。
•キルンベルガーIII. (通称SC1/4)
ピタゴラス音律の響きの汚い長三度408セントから、
純正三度386セントを差し引いた
22セント(シントニックコンマ)を、
4つに分けたミーントーン5度を4つ
C〜Eまでの各4箇所に配置(🟥線)
C#〜F#は2セント狭い(平均律五度)
🟦線は純正、特にC-Eは重要
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•ヴァルクマイスター1-3通称(PC1/4)
ピタゴラスコンマ24セントを4つに分けて
C〜Aの各間、B〜F#の5度(4度)に配置(🟥線)
🟦線は純正です
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(重ねて以上3つのサークル図はYouTuberの真三さんの図がとても分かりやすいので使わせて頂ました) |
古典調律の歴史は古く、バロック以前に遡ります
来月、知人音楽家9名による、ヴィバルディ四季の演奏会をする予定です
スピネットチェンバロを持ち込みます
調にあった古典調律をする予定ですが、
キルンベルガーIIIが無難ですかね
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