本日のテーマ
【誤りやすい話し言葉】
あなたは、正しい日本語を使っていますか?
そう聞かれた時、自信を持って、
「はい」
と答えられる人は、どれくらいいるでしょうか。
わたしも正直なところ、自信を持って「はい」とは言えません。
普段何気なく使っている言葉の中にも、意味や使い方を勘違いしていたり、本来とは違う使い方をしていたりするものが意外とあります。
前回に続き、作家・緑川真沙夫(みどりかわ まさお)先生の教養講座『正しい日本語』から、今回は「間違えやすい話し言葉」について考えてみたいと思います。
① 代議士と国会議員
以前、参議院議員選挙で当選した人が、
「代議士一年生として頑張ります」
と話しているのを聞いたことがあります。
しかし、「代議士」という言葉は、現在では一般に衆議院議員を指す呼び方として使われています。
衆議院議員も参議院議員も、ともに「国会議員」ですが、参議院議員を「代議士」と呼ぶことは通常ありません。
似ているようですが、使い分けがあるのですね。
② 他人事
「他人事」という言葉も、日常会話でよく使います。
本来は、
「ひとごと」
と読まれてきた言葉です。
「自分には関係のないこと」「他人に関すること」という意味です。
現在では「たにんごと」という読み方も広く使われるようになり、辞書にも掲載されています。
言葉は、時代とともに使われ方が変化していくものです。
ですから、
「ひとごと」が本来の読み方であり、「たにんごと」という読み方も現代では定着してきている――
と知っておくとよいでしょう。
③ 学生とは?
「学生」という言葉も、何気なく使っています。
学校での呼び方を厳密に分けると、
小学校に通う人は「児童」
中学校・高等学校に通う人は「生徒」
大学に通う人は「学生」
と呼ぶのが一般的です。
そのため、中学生や高校生を指して「学生」と呼ぶより、「生徒」と呼ぶ方が正式な場面では適切です。
ただし、日常会話では「学生」という言葉を、学校に通って学んでいる人という広い意味で使うこともあります。
大切なのは、
「絶対にこの言い方でなければ間違い」
と決めつけることではなく、本来の意味や正式な使い分けを知ったうえで、場面に応じて言葉を使うことではないでしょうか。
日本語は、長い年月の中で少しずつ変化してきました。
昔は誤りとされた言葉が、使う人が増えることで一般的な言葉になることもあります。
だからこそ、
「普段使っているから正しいだろう」
と思い込まず、時には言葉の意味や由来を調べてみることも大切ですね。
言葉を知ることは、文化を知ることでもあります。
美しい日本語、正確な日本語をできるだけ大切にしながら、次の世代にも伝えていきたいものです。