本日のテーマ
【一言添える】
あいさつは、それだけでも大切なものです。
しかし、そこに一言添えると、相手への気持ちが伝わったり、会話のきっかけになったりすることがあります。
たとえば、
「おはようございます」
「こんにちは」
だけでなく、
「おはようございます。暑いですね。体調に気をつけてください」
「こんにちは。今日もよろしくお願いします」
と一言添える。
たったそれだけのことですが、単なるあいさつとは少し違います。
そこには、相手を気にかける気持ちや、思いやりが感じられます。
以前、50代の女性から、こんな話を聞いたことがあります。
その方は、6人ほどが利用する寮で、食事を作る仕事をしていました。
担当者は日ごとに替わり、それぞれが料理を作っていました。
ある時、寮の利用者に、
「誰の料理がおいしいですか?」
と聞いたところ、Nさんの料理を挙げる人が多かったそうです。
その話をNさんに伝えると、Nさんはこう言いました。
「私は、料理はそれほど得意ではありません。ただ、作った料理をお出しする時に、一言添えるようにしているんです」
たとえば、
「今日は新鮮な○○があったので、使ってみました」
「この食材には、こんな工夫をしてみました」
「以前作っておいしかったので、今日も作ってみました」
「暑いので、さっぱりしていて栄養のあるものを選びました」
このように、料理と一緒に、自分の思いを一言添えていたのです。
もしかすると、その一言によって、
「自分たちのことを考えて作ってくれたんだ」
という気持ちが、食べる人にも伝わっていたのかもしれません。
同じ料理でも、作った人の思いが伝わると、受け取る側の感じ方まで変わることがあります。
Nさんの一言は、料理そのものを変えたわけではありません。
しかし、その一言が、料理に心を添える“もう一つの調味料”になっていたのでしょう。
一言添えることは、ほんの小さなことです。
しかし、その小さな一言が、
人との距離を縮めたり、
相手を安心させたり、
自分の思いを伝えたりすることがあります。
一言添えるとは、言葉を足すことではなく、心を添えること。
人と人との関係を大切にするためにも、そんな一言を忘れずにいたいものです。