本日のテーマ

話の間の取り方】

 

 

人前で話をするとき、「間の取り方」が大切だと言われます。

 

特に、スピーチや講演など、多くの人に向かって話す場合は、ただ言葉を並べるだけではなく、相手に聞いてもらい、理解してもらい、心に届けることが必要です。

どれほど良い内容であっても、話すテンポが速すぎたり、言葉を詰め込みすぎたりすると、聞き手は理解することに精いっぱいになり、肝心の内容が心に残らないことがあります。

 

そこで大切になるのが、「間」です。

講談師の一龍斎貞水(いちりゅうさい・ていすい)氏は、著書『心を揺さぶる語り方』の中で、間の取り方について、このように述べています。

 

詰め込みすぎ、先を急ぎすぎてはいけません。

「間」がなさすぎる話では、お客様が心を動かされる暇もありません。

「間」というのは、お客様が話を理解し、自分で考えたり、我が身に置き換えて想像したりするための時間です。

それがなさすぎると、たくさん話したわりには、思ったほど伝わっていなかったということになってしまいます。

一方で、「間」がありすぎるのもよくありません。

次の話を聞きたいと思っているときに言葉が続かなければ、聞き手の気持ちが冷めてしまいます。

「間」がなければ、話は詰まりすぎる。

「間」がありすぎれば、話は間延びする。

 

つまり大切なのは、ちょうどよい「間」を取ることなのですね。

 

私は、「間」とは単に話を止めることではないと思います。

聞き手に、考えてもらう時間。
感じてもらう時間。
想像してもらう時間。

それをつくることが「間」なのではないでしょうか。

 

例えば、大切なことを話したあと、ほんの少し黙ってみる。

すると聞き手は、その言葉を頭の中で受け止めることができます。

心に残してほしい言葉の前に少し間を置けば、

「これから大切なことを話すのだな」

と、聞き手の意識をこちらに向けることもできます。

 

話す側からすると、沈黙は少し怖く感じるものです。

つい次から次へと言葉を続けたくなります。

しかし、良い話とは、たくさん話すことではありません。

相手の中に、どれだけ届いたか。

そこが大切なのだと思います。

 

人前で話すときは、自分が「何を話すか」だけでなく、

「相手が今、どのように聞いているか」

にも心を配りたいものです。

 

女性と男性

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話し手の言葉と、聞き手の心の間に、ちょうどよい「間」をつくる。

それも、人に伝えるための大切な心配りなのではないでしょうか。