本日のテーマ
【根回しは段取り】
交渉事や新しい提案をするとき、多くの人に理解し、賛同してもらうためには、それなりの準備が必要です。
その一つが、「根回し」です。
根回しとは、
「交渉や会議などで、事をうまく運ぶために、あらかじめ手を打っておくこと。下工作。」
(大辞泉)
という意味です。
「根回し」というと、どこか裏で話をつけておくような印象を持つ人もいるかもしれません。
しかし、本来の目的は、物事をより良い方向へ進めるための「事前の準備」にあります。
この根回しの大切さは、古くから説かれてきました。
武士の心得を記した『葉隠(はがくれ)』にも、次のような趣旨の教えがあります。
――『葉隠』より
「相談事がある場合は、まずだれか然るべき者一人に打ち合わせておき、それから関係者を集めてその場で決めることである。また特に大事な相談事は、密かに、無関係な者や世を捨てた人から意見を聞いておくとよい。こういう人たちは利害関係が無いから、よく筋道がわかるのである。仲間うちだけで相談すると、自分たちの都合の良い意見だけが出てくるものだ。これではその後に役立たない」
ここで大切なのは、単に事前に賛成を取りつけることではありません。
あらかじめ人の意見を聞き、問題点を探り、異なる立場から考え、関係者が納得できるよう準備をしておく。
そうすることで、話し合いはスムーズになり、より良い結論にもつながっていきます。
つまり、根回しとは「段取り」なのです。
何かを成し遂げようとするとき、
いきなり本番に臨むのではなく、その前にどれだけ準備ができているか。
誰に相談しておくべきか。
どんな反対意見が出るのか。
何を説明すれば理解してもらえるのか。
どんな順序で進めればよいのか。
そこまで考えておくことが、根回しです。
良い結果は、本番だけで決まるのではありません。
その前の「段取り」で、すでに大きく決まっているのです。
根回しは段取り。
物事をうまく進めたいときほど、関係者に話をする前の準備を大切にしたいものです。