本日のテーマ
【小さな乱れはエスカレートする】
あるテレビ番組で、こんな実験が紹介されていました。
路上に一台の車を置いておきます。
最初のうちは、特に何も起こりません。
しかし、日が経つにつれて車は汚れ、ほこりをかぶるようになります。
すると、ウインドウにいたずら書きをする人が現れました。
そのままにしておくと、いたずら書きは次第に増えていきます。
やがてバックミラーが壊され、ついにはフロントガラスまで割られてしまったそうです。
また、ある家の壁にいたずら書きをし、それをすぐに消した場合と、そのまま放置した場合を比べる実験もありました。
すぐに消した場合には、新たないたずら書きはされにくくなりました。
ところが、そのまま放置しておくと、いたずら書きは次々と増えていきました。
こうした現象を見ると、
きれいに保たれているものは大切にされやすく、乱れているものは、さらに乱されやすい
という人間心理があるように思います。
きれいに掃除された場所には、ゴミを捨てにくいものです。
しかし、すでにゴミが散乱している場所では、
「ここなら捨ててもいいだろう」
という気持ちが生まれやすくなります。
つまり、最初の小さな乱れをそのままにしておくと、
「これくらいならいいだろう」
という意識が広がり、それが次の乱れを生んでいくのです。
これは、物や場所だけの話ではありません。
人が集まる組織や集団にも、同じようなことが起こります。
以前、学校現場では「学級崩壊」という言葉がよく使われました。
今では少し耳にする機会が減りましたが、そこで指摘されていた、
「大きな乱れには、その前に小さな予兆がある」
という考え方は、今でも変わらないと思います。
たとえば、
・言葉遣いが乱れてくる
・忘れ物が増える
・教室や職場が乱雑になる
・私語が増える
・人の話を聞かなくなる
・決められたことが守られなくなる
こうした一つひとつは、最初は大したことではないように見えます。
しかし、
「このくらいはいいだろう」
と放っておくと、少しずつ基準が下がっていきます。
その結果、注意を聞かなくなったり、人への配慮がなくなったり、ルールそのものが軽く扱われるようになったりします。
そして、気がついたときには、
小さな乱れが、大きな乱れへと変わっている。
これは学校だけではありません。
家庭でも、会社でも、地域でも同じではないでしょうか。
挨拶をしなくなる。
整理整頓をしなくなる。
時間を守らなくなる。
言葉遣いが乱れる。
人への気配りがなくなる。
一つひとつは小さなことです。
しかし、組織や人間関係の乱れは、こうした小さなところから始まることがあります。
だからこそ、大切なのは、
大きな問題になってから直すのではなく、小さな乱れのうちに気づくこと。
そして、
「これくらいならいい」と見過ごさないこと。
小さな乱れを整えることが、大きな乱れを防ぐことにつながります。
日頃から、身の回りの小さな変化に気づく目を持ちたいものです。
キケロの言葉……
「始まりは、すべて小さい。」