本日のテーマ
【失敗を手柄に変える】
「失敗は成功のもと」ということわざがあります。
失敗したとき、その原因をよく考え、反省し、次に生かすことができれば、その経験は成功へとつながっていくという意味です。
誰にでも失敗はあります。
そして、失敗が大きければ大きいほど、受けるショックも大きくなります。落ち込み、自信を失い、ときには挫折してしまうこともあるでしょう。
しかし、そこで諦めずに、失敗の原因を冷静に分析してみると、何がいけなかったのか、これから何をすればよいのかが見えてきます。
失敗は、ただ悔やむだけのものではありません。
向き合い方によっては、次に進むための知恵となり、新たな挑戦への力にもなるのです。
幕末から明治維新期に活躍した思想家で、熊本藩士でもあった横井小楠(よこいしょうなん)は、失敗を逆に生かすことに優れた人物として知られています。
横井小楠は、勝海舟が一目置いていたほどの人物でした。
勝海舟は、小楠について次のように語ったといわれています。
「今まで会った人間の中で、二人恐ろしい奴がいる。一人は横井小楠で、一人は西郷隆盛だ。だから、横井の言うことを西郷が実行したら、日本はえらいことになる」
小楠は、一つの考えに固執することなく、かといって他人の意見に流されることもなく、その場の状況に応じて、適切な判断をすることのできる人物でした。
失敗した人が相談に来ると、小楠は、まずその失敗の経緯を丁寧に聞きました。
そして、何が起きたのかをよく分析し、
「それなら、こうしてみなさい。そうすれば、その失敗を逆に生かすことができる」
と、知恵を授けたといいます。
小楠は、失敗をただ取り戻すだけでなく、その失敗を利用して、逆にその人が手柄を立てられるような方法を考え出す、天才的な人物だったのです。
失敗したという事実は変えられません。
しかし、その失敗をどのように捉え、どう生かすかは、自分で変えることができます。
失敗の中には、自分の弱点や間違いだけでなく、これまで気づかなかった課題や、新しい方法を見つける手がかりが隠されています。
考え方を変えれば、失敗は学びになります。
学びを実践すれば、失敗は教訓になります。
さらに工夫を重ねれば、失敗を成果や手柄に変えることさえできるのです。
いつまでも落ち込んではいられません。
前向きに生き抜くためには、失敗を悔やむだけで終わらせず、そこから何を学び、次にどのような行動を起こすかが大切です。
発想を転換し、失敗を手柄に変えていきたいものです。
横井小楠の言葉に、次のようなものがあります。
「人、必死の地に入れば、心必ず決す」
人は、逃げ場のない困難な状況に立たされたとき、初めて覚悟が定まり、本当の力を発揮することがあるのです。
参考文献:童門冬二著『勝海舟の人生訓』PHP文庫