本日のテーマ

私で良かった……】

 

 

先日、私の住まいの近所で、心に残る出来事がありました。

 

大きな国道の横断歩道で、信号待ちをしていた時のことです。

五十代くらいのご夫婦らしきお二人が、横断歩道を渡ろうとして信号を待っていました。

すると、そのご夫婦の後ろを、高齢の男性が自転車でよろめきながら通り過ぎようとしました。

その瞬間、自転車が倒れました。

 

自転車と男性は、そのご夫婦のご主人の背中にぶつかり、その勢いで、ご主人も国道側に倒れそうになりました。

 

ご主人は、何が起こったのか分からない様子でした。

しかし、倒れかけた高齢の男性が頭を打ちそうになった瞬間、とっさに手を伸ばし、その頭を支えたのです。

その拍子に、ご主人が持っていたカバンは国道に放り出され、危うく車にひかれそうになりました。

 

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私は少し離れたところにいたため、駆け寄ろうとしましたが、一瞬の出来事で間に合いませんでした。

 

幸い、高齢の男性にけがはありませんでした。

男性は、助けてくれたご主人に深々と頭を下げ、静かに立ち去っていきました。

 

そのあと、高齢の男性を助けたご主人が、奥様に語りかける声が聞こえてきました。

私は、その言葉に胸を打たれました。

 

危険な目に遭ったにもかかわらず、そのご主人はこう言ったのです。

「私で良かった。私があそこに居させてもらえて、本当に良かった……」

 

その言葉を聞いた時、私は深く感動しました。

自分が危ない思いをしたことよりも、人を助けられたことに感謝している。

そこに、その方の人柄が表れているように感じました。

人の役に立ったことを、自然に喜べる人。

自分がそこにいたことを、ありがたいと思える人。

そのような素敵な人に出会えたことが、私にとっても大きな学びになりました。

 

人は、特別なことをしなくても、日常の一瞬に、その人の心が表れるものです。

とっさの行動。
何気ない言葉。
人を思う心。

そこに、その人の本当の姿が出るのだと思います。

 

素敵な人からは、学ぶことがたくさんあります。

私も、そのような人に少しでも近づけるよう、日々の心がけを大切にしたいと思いました。

 

ベンサムの言葉に、次のようなものがあります。

「われわれは他人を幸福にしてやるのに正比例して、それだけ自分の幸福を増すものである」

 

人の役に立てたことを喜べる心。

そこに、人としての本当の幸せがあるのかもしれません。