本日のテーマ
【恵まれた環境が人間を駄目にする】
人は、恵まれた環境にいると、不自由を感じにくくなります。
必要なものが揃っている。
困ったことがあれば、誰かが助けてくれる。
苦労しなくても、どうにかなる。
そのような環境が続くと、努力する必要を感じにくくなり、感謝の気持ちも薄れてしまうことがあります。
そして、いつの間にか、恵まれていることを当たり前だと思うようになるのです。
私は、恵まれた環境が、人間にとって必ずしも良い環境とは限らないと思っています。
それは、楽をすることが、後の苦しみの原因をつくることがあるからです。
最初から楽な環境にいると、大切なものを見失いやすくなります。
努力する機会。
苦労する経験。
挑戦する場面。
自分で考え、乗り越える力。
そうしたものを身につける機会が、少なくなってしまうのです。
昔から、子育ての教えとして、
「可愛い子には旅をさせろ」
ということわざがあります。
これは、子どもを甘やかすよりも、苦しい経験をさせた方が、結局は子どものためになるという意味です。
ほかにも、
「他人の釜の飯を食わせろ」
「獅子は千尋の谷にわが子を突き落とす」
「若い時の苦労は買ってでもせよ」
という言葉があります。
これらは、社会に出れば、いつも恵まれた環境が用意されているわけではないという教えです。
自分で力をつけ、自立できる人間にならなければならないということなのでしょう。
恵まれた環境を知ることや、経験することも必要です。
しかし、それが当たり前だと思ってしまうと、世の中では通用しなくなります。
恵まれていることは、一見、豊かなことのように見えます。
しかし、自分の実力を磨き、器を大きくするという意味では、かえって成長の機会を奪ってしまうことがあります。
恵まれた環境で育った人よりも、厳しい環境で育った人の方が、人間味や強さを持っていると言われることがあります。
それは、困難の中で考え、耐え、工夫し、乗り越えてきた経験があるからではないでしょうか。
平和についても同じことが言えます。
平和が長く続くと、「平和ボケ」という言葉があるように、平和が当たり前だと錯覚してしまうことがあります。
何の努力をしなくても、平和はずっと続くと思ってしまうのです。
しかし、平和もまた、守る努力があってこそ続くものです。
だからこそ、平和な時こそ、過去の戦争や、世界各地で起きている紛争に関心を持つことが大切です。
なぜ争いは起こるのか。
どうすれば戦争を防げるのか。
平和を守るために、自分たちは何を学ぶべきなのか。
その問いを持つことが必要なのだと思います。
恵まれていることが、いつまでも続く保証はどこにもありません。
今ある環境を当たり前と思わず、感謝すること。
そして、その環境が失われた時にも生きていけるように、自分を鍛えておくこと。
その備えを忘れないようにしたいものです。
デンマークのことわざに、次のようなものがあります。
「土地がよければ道路が悪い、国がよければ人が悪い」
気候が温和で土地も豊かであれば、それほど苦労せずに生活できます。
しかし、あまりに恵まれ過ぎると、人は怠けやすくなり、進歩しにくくなるという戒めなのでしょう。
恵まれた環境に甘えるのではなく、恵まれている時こそ、自分を磨く。
それが、環境に負けない人間をつくるのだと思います。