本日のテーマ

貧しさからスタート

 

 

偉人の伝記を読んでいると、生まれた環境や育った環境が決して恵まれていなかった成功者の話がよく出てきます。

 

貧しい生活の中で苦労しながら成長する。
その環境の中で多くのことを学ぶ。
やり遂げる強い意志が培われる。
そして、明確な目標を見出し、努力を重ねた結果、その目標を達成して成功者になっていく。

 

そのような人生の流れです。

 

これらの例から言えることは、人生の早い時期に苦労を体験したことによって、しっかりとした物事の見方や価値観が形成されたのではないか、ということです。

 

もちろん、貧しければ必ず成功するということではありません。
しかし、恵まれない環境の中で何を学び、何を感じ、何を目標にするかによって、その後の人生は大きく変わっていくように思います。

 

若い時期から恵まれ過ぎていると、知らず知らずのうちにぬるま湯につかり、楽な生活を求め、依存心が強くなってしまうこともあります。

 

一方で、苦労の中にいる人は、そこでしか学べないものを学ぶことがあります。
不自由さの中で工夫を覚えます。
足りないものがあるからこそ、努力する意味を知ります。
そして、悔しさや願いが、やがて人生を動かす目標になることもあるのです。

 

私の尊敬する偉大な実業家に、アンドリュー・カーネギーがいます。

 

 

カーネギーは、貧しい家庭に生まれ育ちました。
幼いころから働き、少しずつお金を貯め、やがて世界の鉄鋼王と称されるほどの成功を成し遂げました。

そのカーネギーが最初に描いた目標は、

「大富豪になり、母親を喜ばせること」

でした。

この目標は、貧しい生活の中で、愛情を注ぎ、一生懸命に自分を育ててくれた母親を喜ばせたいという思いから生まれたものだったのでしょう。

やがてカーネギーは、大富豪になった後、

「自らの財産を世の中のために使う」

という目標を掲げます。

そして、慈善図書館、教育機関、劇場、博物館、財団法人など、教育、福祉、文化の分野に私財を投じました。

そのカーネギーは、自らの経験から、次のような言葉を残しています。

「子どもにとって最も幸せなことは、貧乏で賢明な親をもつことだ」

また、彼の墓碑には、次の言葉が刻まれています。

「自分より優れた者を傍に置くことができた人間がここに眠る」

 

貧しさそのものが、人を偉大にするのではありません。
逆境そのものが、人生を成功に導くのでもありません。

大切なのは、その環境をどう捉えるかです。

貧しさを恨みとして抱え続けるのか。
それとも、そこから学び、力に変えていくのか。

恵まれない環境や逆境をどのように捉えるかによって、人生の方向は変わっていくのだと思います。

 

アンドリュー・カーネギーは、次のような言葉も残しています。

「逆境に耐えうる意欲は、目標を実現したときの自分の姿をイメージしたものから湧いてくるものだ」

 

人は、ただ苦しみに耐えているだけでは前に進めません。
その先に、何を見ているか。
どんな自分になろうとしているか。
誰を喜ばせたいのか。
何のために乗り越えようとしているのか。

 

そこに目標が生まれたとき、逆境はただの苦しみではなくなります。
人生を鍛え、人生を動かす力に変わっていくのです。