本日のテーマ

【正義の主張】

 

 

人はそれぞれ、自分なりの「正しさ」を持っています。
価値観、知識、性格、育った環境――それらを土台にして「これが正義だ」と判断しているのかもしれません。

 

辞書では、正義とは「人の道にかなっていて正しいこと」「正しい意義、正しい解釈」などと説明されます。

 


けれど現実には、「正義」が一致しないことで、争いが起こります。戦争も同じです。

 

背景には、経済や政治だけでなく、思想や宗教、民族といった要因も重なります。
しかし根っこにあるのは、「自分の主張こそ正しい」「自分が正義だ」という確信がぶつかり合うことではないでしょうか。
正義が一致しないから、争いが生まれるのです。

 

古代ギリシャの哲学者アリストテレスは、正義を二つに分けて考えました。
ひとつは、価値や貢献に応じて名誉や利益を分ける「分配の正義」。
もうひとつは、奪われたものや損なわれたものを元に戻す「回復の正義」です。

 

この見方に立つなら、「本当の正義」とは、相手を打ち負かすことではなく、対立を広げないこと――
つまり、争いを避け、誠実に折り合いを探す姿勢にあるのかもしれません。

 

正義を語るときこそ、まず自分の正義を疑い、相手の事情にも目を向けたい。
その一歩が、衝突を対話に変える鍵になるのだと思います。


私たちが「正しい」と信じているものは、いつでも見直す余地があります。
その覚悟を促す言葉として、次の一文は示唆的です。


■ デカルトの言葉…

「正しく哲学するためには、一生に一度、自分のあらゆる持説を捨てる決心をしなければならない」