本日のテーマ
【恥じらい】
日本には、「恥じらい」という言葉がります。
「恥じらい」とは、恥ずかしがることです。
そもそも恥とは、自分の欠点・過失などを自覚して体裁悪く感じるさまに使う言葉で、侮蔑的な表現で使われます。
日本は「恥の文化」と言われ、恥をかかない生き方が立派な人の生き方の模範とされていました。
しかし、「恥じらい」という姿勢が、どんどん失われてしまっているようです。
立派な生き方をするためには、人に対し恥ずかしい行為をしないようにしたいものです。
わたしが「恥じらい」の大切さを実感した話があります。
その話を紹介しましょう。
日露戦争で大きな功績を残した乃木稀典将軍は、学習院の学長をしていた時に当時の皇太子殿下(後の昭和天皇)に対しこのようなお話をなされたそうです。
乃木稀典将(のぎまれすけ 1849~1912年)
「殿下、日本はどこにあるか御存知ですか? 乃木の日本国は、胸の中にあります。ああ、私は日本人だった。そのような考えを起こしては外国人に笑われる。そんなことをしたら日本人として恥ずかしい。日本の恥になる。日本の恥になることは、お国へも同胞へも申し訳ないことだ。そう思うと、悪い考えを起こすことはできません。乃木は、わが日本の国を、いつも胸の中に置き、自分は日本人だと言うことを忘れぬようにしております」
この話は、今の日本人には理解できないことかもしれませんが、現代社会が失っている大切なものを感じます。
今、私たちは日本人としてのプライドや恥じらいを失くしつつあるのではないでしょうか。
歴史や先人たちを学び、今の日本という国を見つめ直してみる。
……するとこんな疑問が湧いてきます。
安心して暮らせるか?
誇りを持てるか?
未来に希望を持てるか?
日本という国は、何のために何をしたいのか? どこに向かおうとしているのか?
わたしはこう感じます。
「このままではいけない。これからの日本づくりのために、何をすべきかを真剣に考える必要性がある」