本日のテーマ

【人生の苦しみが

人生のミッションを与えてくれた】

 

 

 自分の人生のミッションとは何だろう?

 はたしてそんなものがあるのだろうか?

 

こう思われている人もいることでしょう。

わたしは、若い頃は自分の人生のミッションなどこれっぽっちも考えたことはありませんでした。

どちらかと言えば、“自分の望みを叶える”ことしか考えていませんでした。

たとえばこんなことです。

 

 仕事で成功してお金持ちになる…

 ブランド品を身につける…

 女性にモテる…

 高級車に乗り大きな家に住む…

 

しかし、22才の交通事故で死の淵から生還したあたりから、少しずつ自分の気持ちが変化していきました。

きっと人生について考えはじめたからなのでしょう。

その後、波乱万丈の人生を歩むことになります。

40代になり、自分で設立した会社を4年で倒産させ、借金地獄に苦しみ、自殺の決意をすることになりました。

 

そんなわたしが今、この苦労をする人生を歩ませてもらい、とても良かった、いや、ただの良かったレベルではなく、ものすごく感謝しています。

その理由は、苦しみの経験を活かして自分の人生のミッションを気づくことができたからです。

 

今までの「NPO法人生きる意味研究所」の活動、そしてこれからやろうとしていることは、過去の苦しみがなければ、考えつくことや、まして活動することはできなかったことです。

 

苦しみから人生のミッションを見出すヒントをもらったのは、今から34年前の30才のころに雑誌の編集の仕事をしていて、長崎県にある知的障がい者の施設を取材で訪れたときでした。

このときの体験を40代になって思い起こし、こんな生き方もあるのだと改めて気づかされることになりました。

施設教職員の女性Aさんから聴いたお話が、その気づきを与えてくれました。

 

「私には二つ違いの弟がいます。彼は知的障がい者ですが、ずーっと在宅で、家から近くの小学校に通っていました。小さいときから弟がいじめられたり、あまり友だちができなかったり、弟のために苦労する母を見ながら私は大きくなりました。だから、もしも人より優れているところが自分にあるとしたら、そのような障がい児を持つ親の痛みとか、障がいを持って生きるということの大変さとか、そういうことが人より少しは分かるかなぁと思ってこの仕事を選びました」

 

と話してくれたのは、当時施設の寮長さんをしていた女性のAさんでした。

 

(画像はイメージで、日本初・障がい者の映画『きょうだい』より)

 

 

Aさんは、苦労するお母さんや、不憫な弟さんと暮らす中で、大変な苦労や、悔しさ、生き道理を感じてこられたことでしょう。

しかし、この経験を見事に人生のミッションに替えられたのです。

 

わたしも今思えば、40代での自社の倒産で自殺の決意をするも、その経験を活かすことができたのは、わたしの心に、Aさんの言葉が数十年経っても心のどこかに刻まれていたからでした。

Aさんわたしを導いてくれたのです。

 

人の人生のミッションはそれぞれでしょう。

①  能力のある人は、その能力から人生のミッションを見出す…

②  好きなことや関心ある事を持っている人は、その事から人生のミッションを見出す…

③  自分が味わった経験から気づく人は、その経験から人生のミッションを見出す…

 

こんなタイプがあるのかもしれません。

わたしは③のタイプでした。