本日のテーマ

【プロセス(過程)が大事】

 

 

自分が知りたいことがあった場合…

その答えを知っている誰かに質問して答えを求めたりします。
単純なことであれば、それで答えを見つけることができるでしょう。

 

わたしも様々な場面で、質問をいただくことがありますが、ココ近年では、自分で考えず、答えを見つける努力をしないで、答えだけ求める人が多くなったと感じます。

起こった問題事に対し、原因を探ろうとせず、対処する方法を求めるのです。
これでは本当の意味で解決できないと、わたしは思うのです……。

 

 

例えば、童話に『青い鳥』がありますが、この童話を知る前に、
「本当の幸せとは何ですか?」
と質問したとします。
そのとき、青い鳥の童話の結論を答えました。
「幸せとは、直ぐそばにあるもの…」
確かに質問に対して答えを言っています。

 

しかし、この答えに辿り着くまでのプロセスがあるから、この意味が分かるのであり、単に結論だけ求めても、その答えを深く理解することはできないでしょう。
そこまでのプロセスが大事であり、辿ってきた経験が答えの意味を深く理解させるのです。

 

人から教えてもらった答えは、理論上だけであれば、“ヒントという枠の中”にしかないのかもしれません。
自分で考え、経験しながら導き出した答えを理解することが本当の答えだと、わたしは思うのです。

 

『青い鳥』のお話をもう一度考えてみたいと思います。

 

むかしむかし、あるところに、貧しい二人の子どもの兄妹がいました。
お兄さんの名前はチルチル、妹の名前はミチルと言いました。
ある日、二人の部屋に、魔法使いのおばあさんがやって来て言いました。
「わたしの孫が、病気にかかっていて、幸せの青い鳥を見つけなければ病気が治るのじゃ。どうか二人で青い鳥を見つけてきておくれ」
魔法使いのおばさんの願いを叶えるために、チルチルとミチルは鳥カゴを持って、青い鳥を探す旅に出ました。




はじめに行った国は、『思い出の国』でした。
二人は、この国で、死んだはずのおじいさんとおばあさんに会いました。
「人は死んでも、みんなが心の中で思い出してくれたなら、いつでも会うことができるんだよ」おじいさんはそう言いました。
そして、チルチルとミチルに、この国に青い鳥がいることを教えてくれました。
ところが、『思い出の国』を出たとたん、青い鳥は黒い鳥に変わってしまいました。
チルチルとミチルは次に病気や戦争など、いやなものがいっぱいある『夜のごてん』に行きました。
ここにも青い鳥はいました。
でも、捕まえて『夜のごてん』を出たとたん、青い鳥は死んでしまいました。
それから二人は『ぜいたくのごてん』や、これから生まれてくる赤ちゃんがいる『未来の国』に行きました。
どこにも青い鳥がいましたが、持ち帰ろうとすると、みんな駄目になってしまうのです。
そのとき、お母さんの声がします。
「さあ、起きなさい。今日はクリスマスですよ」
目を覚ますと、二人は自分たちの部屋のベッドの中にいました。
青い鳥を探す旅は終わったのです。
チルチルとミチルは、とうとう青い鳥を捕まえることができませんでした。
でも、ふと鳥カゴを見ると、中に青い鳥の羽があるではありませんか。
「そうか、ぼくたちの飼っていたハトが、本当の青い鳥だったんだ。幸せの青い鳥は、僕たちの家にいたんだね」
二人はお互いに顔を見合わせてニッコリしました。
魔法使いのおばあさんは二人に、幸せは直ぐそばにあっても、なかなか気づかないものだと教えてくれたのです。

 


魔法使いのおばあさんは、なぜ最初からチルチルとミチルに、

「幸せは直ぐそばにあるものだ」

と教えなかったのでしょう?

 

勇気を出して冒険し、ときには喜んだり、ガッカリしたり、怖い思いをしたり、迷ったり、考えたり、そんな経験が答えの意味を深めるのではないでしょうか。

 

 

本当の探し物は、単純な答えだけでは見つからないのかもしれません。
自らの探そうとする意識や努力が大切です。
もしかしたら、

「答えを探すまでのプロセスに答えがある」

のかもしれません。