本日のテーマ 

【争わず戦わずして勝つ方法】

 

 

もしかしたら、人間が生きている限りは、争いは避けることはできないのかもしれません。

 

毎日ニュースで世界のどこかで争いが報道されています。

身近なところでも人同士の争いが起きています。

争いを避けることはかなり難しいことです。

争いをしないようにしていても、相手から争いの種をまかれることもあるからです。

 

本日は争いを避ける方法を考えてみたいと思います。

 

 

歴史上では「争いをなくすことができない」ということが証明されています。

人類が誕生してからの歴史は、争いが繰り返されてきました。

 

日本の歴史でも、明治時代まで日本人同士が戦争をしていました。

その後、国同士の戦争が世界で勃発して行きますが、世界的に平和を求める動きが起こりました。

 

これからの時代は過去を教訓にして、いかに争いを避け、戦争をしないようにするという努力が必要です。

しかしながら、争いは失くすことは不可能に近いことかもしれません。

争うことは、お互いに犠牲を払うことになり、その結果、負けた者は怨みや憎しみをもつことになり、また争いを誘発してしまいます。

現在もイデオロギーや宗教、過去の部族同士の争いの念が世代を超え、今なお争いの火種となっています。

 

そこで学びたいことは、「どうすれば争いを避けられることができるか?」です。

こんな方法も知っておくことが人生を生き抜くための知恵となるのではないでしょうか。

歴史上において先人たちの争わない知恵と実践方法をいくつか紹介しましょう。

 

今から二千五百年前の中国春秋戦国時代生きたとされる伝説の哲学者の老子は言います。

 

道に目ざめた人は、人あたりがやわらかい、つねに冷静である。

腰を低くして上手に人を使う、対決さけて、争わない。

これを「不争の徳」、争わない力という。

争って勝ったところで、ろくなことはないよ。

力ずくで争って、相手を打ち負かすのではなく、争うことなく、逆に、

相手のエネルギーを活かしてあげなさい。

これが天のやり方なのだ。

道にめざめた人のやり方なのだ。

(『自由訳 老子』新井満著 朝日新聞社より)

 

今から五百年前の戦国時代の剣豪塚原卜伝(つかはらぼくでん)の知恵。

戦わずして勝つ「無手勝流」。

無手勝流とは、

「戦わずに勝つこと。力によらず策によって勝つこと」

剣豪の塚原卜伝が、渡し船の中で真剣勝負を挑まれた時、州に相手を先に上がらせ、自分はそのまま竿を突いて船を出し、「戦わずして勝つ、これが無手勝流」と、その血気を戒めたという故事から。

 

勝海舟と坂本龍馬の争いを避ける知恵。

明治維新の立役者の勝海舟は、剣術ではかなりの腕前だったのですが、争いに巻き込まれても人を斬らないために刀が抜けないよう紐で結わいていたといいます。また、勝の弟子であった坂本龍馬も争いになると走って逃げたこともあるといいます。

 

 

戦ってお互いが犠牲を出すのであれば上策ではありません。

上策は犠牲を出さない方法であり争いを避ける方法です。

戦わずして勝つことは、

「感情を抑え、暴力ではなく知恵で挑むこと」

です。

 

喧嘩をして、先に手を出し、暴力的に勝って相手をねじ伏せたところで、後で法的に罰せられ、結局敗者になってしまいます。

簡単に戦ってしまったツケは、後に大きな代償を払わなければならいことになるのです。

 

ある人が、あなたの悪口を言っていたとします。

それを知って、相手のことを悪く言い返したり批判したりすれば、いつか相手に伝わり更なる悪口が返ってくるでしょう。

しかし、それに耐え何も言わなかったら、いつか周りの人は悪口を言っている人を信用しなくなるでしょう。

何も言わなかったあなたが評価され、すなわちこれが戦わずして勝つことになります。

 

相手に武器ではなく、花束を…

 

 

争いを避けるため、まずは冷静になり策を考えることが大事になりますね。