本日のテーマ 

【人間は慣れる習性をもっている

~慣れと狎れ~】

 

 

人間は、“慣れるという習性”を持っています。

慣れには、

 好ましい慣れ…

 好ましくない狎(な)れ…

があります。

 

初めての作業や仕事の場合、慣れていないために要領がわからず緊張して上手くできないこともあります。

でも、繰り返し続けることで慣れてきて要領をつかめるようになります。

このような慣れは“好ましい慣れ”になります。

好ましい慣れは自分に力をつけ成長につながります。

 

慣れは成長につながる…

 

 

好ましくない慣れを「狎れ」と言います。

狎れは、慣れたことに手抜きをしたり、鈍感になったりするような悪い慣れを意味します。

例えば、親しくするあまり、礼儀を欠いた振る舞いをするなどです。

好ましい慣れは自分のためになり、好ましくない狎れは自分のためになりません。

 

狎れは自分のためにならない…

 

 

慣れには注意が必要です。

その理由は、人間はとかく環境に慣れるようになっていて、このような精神的に捉える慣れが生き方を左右してしまうことになるからです。

 

真面目な人は「慣れ」を使い、怠け者は自分を楽にさせるための「狎れ」を使います。

そんなことを実感してからは、このことが今ではよくわかります。

 

「慣れと狎れをどう使うかで人生が形成されて行く」

 

だから今は良い慣れを活かし、

「最初はできないことでも根気よく続けていれば慣れてできるようになる」

と信じ、新たなチャレンジを惜しみなくしています。

 

自分の人生を振り返ると、

「このような慣れの積み重ねが自分に力をつけ人生をつくってきた」

とつくづく思えるのです。

 

それからこんな狎れもありますので注意したいものです。

悪い狎れはこんなことにも及んでいることに気づかされたお話です。

「健康に関する狎れ」です。

以前、ある小児科医に子どもの健康についてインタビューしたことがありますが、このような狎れを教えていただきました。

 

「子どもが低体温で生まれてくることが珍しくなくなってきました。体温が35度代になってきているのです。低体温だと免疫が低下するため、病気にかかり安く治りにくくなります。この原因に考えられるのが、赤ちゃんが産まれてくるときの室内温度と関係しているようです。室内温が丁度よい温度に設定されている。だから赤ちゃんは、一番心地よい温度を肌で感じます。しかし、昔は今のように医療設備も完備されていなかった時代はその季節の温度に触れ、夏は暑さ、冬は寒さに肌が鍛えられ、体温調整してきました。例えば寒い所で肌を出すと最初は鳥肌が立ちますが、何回もしているうちに、鳥肌が立たなくなります。これは肌が寒さに慣れたせいです。このようにして体感温度が鍛えられます。今の完全な設備が、過保護過ぎて体質を弱くしなければ良いのですが……」

 

 

楽な環境であれば、楽に基づいた体質ができてしまうということになります。

とても大切なことだと思いました。

丈夫な体づくりは、時には厳しい環境に置くことも必要なのでしょう。

体力をつけるのも、ジョギングや体操、トレーニングなど、最初はできないことでも続けることにより慣れて上達するもので、これも慣れということになります。

 

慣れというものは精神的にも肉体的にも慣れるということがあります。

人間は繰り返してすることにより、だんだん慣れてきて、良くも悪くも変わります。

 

人生を良くしようと思うなら、悪い狎れをしないようにして、良い慣れを積み重ねたいものです。