本日のテーマ 

【褒めるときにはどこを褒めるか?】

 

 

わたしが中学一年生のときのことです。

朝、家を出て学校に行こうとしたら、道端に鳩がうずくまっていました。

「かわいそうだ!」と思い、鳩を家に連れて行き、母に頼んでしばらく看病することになりました。

そのとき、母から言われたことは、

鳩を“助けた行動”にではなく、“心のあり方”についての言葉でした。

「あなたは心が優しいね…」

 

母は、“助けたという行動の結果”ではなく、“結果を生み出す基になった根の部分”を褒めてくれたのです。

この事がとても心に残りました。

母は心の優しいことを大事にしている”と、子ども心に思ったものでした。

だからでしょう、今のわたしは人を褒めるとき、この事を意識して褒めるようにしています。

 

 

「人は褒めて育てる!」という育て方があります。

褒められるとは、評価され認められることです。

だから人の心は褒められるとより豊かに育つのでしょう。

ココで知っておきたいのは、褒め方によって効果が違ってくるということです。

 

じつは、成長を促す褒め方があります。

例えば…

①  小学生の子どもがテストで100点を取ったとします。

すると、こう褒めます。

「100点を取って偉い。よくやったね」

 

②  小学生の子どもが電車内でお年寄りに席を譲ってあげたとします。

すると、こう褒めます。

「席を譲って偉い。よくできたね」

 

この場合、いずれも「結果を褒めている」ことになります。

これらは、「100点を取る」、「席を譲る」ことにより褒められるという捉え方になりなります。

 

では次に、成長を促す効果を出す褒め方をしてみましょう。

「結果だけでなく、多面から具体的に褒める」という褒め方です。

 

①  100点を取ったことに対して

「勉強をしてきた結果が表れたね。よく頑張ったね」

この場合、100点を取ったことではなく

 勉強したこと…

 頑張ったこと…

というように結果ではなく結果に結びついた“基の行為こそが大事である”ということを評価します。

 

②  お年寄りに席を譲ったことに対して

「優しい心を持っているね。よく気づいたね。譲ることは勇気があるからできたんだよ。お年寄りもきっと喜んでいるよ」

この場合、席を譲ったことではなく

 優しい心…

 気づいたこと…

 譲る勇気…

 相手を喜ばせた…

というように一つひとつの行為の基になった部分について評価しています。

この場合、大切な行為を具体的に理解することができます。

 

 

同じことをしても、褒め方によって広がりが違ってきます。

人を褒めるときには多面から具体的に褒めることにより多く評価されたことになります。

 

「人は褒めて育てる!」とは、

やったことの意義”をわからせることではないでしょうか。

そのために褒め方は大事だと思うのです。

 

 

 

褒めることで人は育ちます。

褒め方でもその効果は異なります。

よい効果が出る褒め方を身につけたいものです。

 

褒めるときは、結果だけでなく、“目に見えない基となる心のあり方”を褒めたいと、わたしは心がけています。