本日のテーマ

【人生の一番肝心な道具】

 

 

人生を生きるためには道具が必要です。
一般的にこんなものがあります。

 衣服…
 食べ物…
 住まい…

などです。

 

以前のわたしはこんなものが頭に浮かびました。

 お金…

 人…

 自然環境…

 

しかし、本当に肝心なものは更に基になるもので身近にあるものでした。

 

日本の哲学者中村天風氏が病に悩んでいたころの修業中に、師と仰いだカリアッパ聖者との問答があります。

書籍『中村天風 心を鍛える言葉』岬龍一郎著(PHP文庫)より。

 

「お前はいつも、どこが痛いのと泣きごとばかりいっているが、いったいお前とはなんだい。その体と心か」
 「体も心も私ですが」
「ほう、その体と心はお前自身なのか……。そういう考え方をしているから、お前はその病気を治せないんだ」
 天風先生にはカリアッパ聖者の言っていることがさっぱりわからなかった。そこで “我とは何か”を修業しながら考えることにしました。
そこで思いついたのが、
 「肉体は心が命令して動かしているので、その本質は心である」

と答えました。
「なるほど。では、その心とはなんだ」
と、カリアッパ聖者が聞いた。
 「ですから、心は自分です」
「それはわかった。だから、その心とはなんだと聞いているんだ。どうもお前の話を聞いていると、心か肉体のどっちかがお前だと思っているらしいな。だがな、心や体というのは人間の本質ではないんだぞ」
 「えっ、そうじゃないんですか。心も自分でなく、肉体も自分でないとしたら、それじゃ私は何なんでしょう」
天風先生は考えました。心や体は人間の本質ではないとすると、この心と体は何なんだろう……。そのとき、ある答えが浮かびました。
 「わかりました。体も心も人間が生きるための道具です」
「それがわかったら、お前は本質をわかるだろう」


 

 

ココには本質を感じました。
人生を生きるための一番肝心な道具とは「心」と「体」だと思えました。
この道具をどのように手入れして、使いこなすかが人生で肝心なことです。

 

ゲーテはこのようなことを言っています。
「正しく働こうとする者は、最もよい道具を選ばなければならない」

 

一流の職人さんが仕事に使う道具は、一流の道具を使い、一流の仕事をします。
人間もまた同じで、良い人生を生きるために、どのような心と体という道具を使うかで、生き方が決まるのではないでしょうか。