事業所の爆発的増加傾向は止まりつつあるが、既に都市部では多くの障害児通所支援事業所が乱立しており、質の低下が問題視されている。

 

 当社では平成19年から事業所をスタートさせて発達支援に取り組んできているのだが、僕が当時と比較して明らかに質が低下してきていると感じている点を挙げてみる。

 

 それは、通所してくれているお子さんの生活全体を見るという意識が明らかに欠けている事業者が増えていることである。

 

分かりやすく言うと、事業所に来ている時間以外はどこで何をやっていても「私たちには関係ない」と平然と言うのだ。

 

子どもたちの発達段階や将来のライフステージを見据えた支援を考えていくのが発達支援のあるべき姿だと僕は考えてずっとこの事業に取り組んできていて、そのためには自宅や他の日中活動の場での様子や課題点などについても保護者さんに寄り添いながら関わっていくように当社スタッフには求めている。

だからこそ、さまざまな関係機関などとの連携や情報共有も大切なのである。

子どもたちの発達課題は、通所事業所に来ている数時間だけでは到底分かるわけがないのだ。

 

しかし事業者に中には、そのような連携を面倒くさがったり、あからさまに「自分の事業所での活動以外は関知しません」というスタンスのところも見受けられる。

 

このような運営の方針というのは、現場のスタッフの独断というよりも、その組織のトップ(経営者)の意向による場合が圧倒的に多い。

 

これだけ事業所が多くなると、それぞれ特色を出そうと必死になること自体は理解出来るけれど、国の制度に基づいて公費による報酬支払いを受けて運営をする事業者として、やはりそのトップの資質や要件を厳格化することを本気で考える時期に来ていると僕は感じている。

 

 大切な子どもの発達支援を支えていく仕組みを維持していくために、また、悩みながらも我が子の発達や成長を真剣に考え子育てをしている保護者さんのためにも、質の良い支援が受けられるような社会になって欲しい。

お子さんの発達支援に長年携わっていると、保護者さんからさまざまなご相談を受けることがある。

その中でも多いのが「偏食」についてだ。

子どもの成長にはさまざまな栄養素を摂取することが大切なのは言うまでもなく、もちろん偏りなく食事が出来れば良いだろう。

 

しかし、私が関わってきたお子さんたちの多くは自閉スペクトラム症の特性をもっていることもあり、その対応には注意が必要だ。

 

単純な「好き」「嫌い」とは違い、味覚過敏や感覚の特異性によるものが多いことを考慮しなければいけないのである。

 

分かりやすい例をいうと、大人は好んで飲むことが多い「コーヒー(ブラック)」は子どもが口にすると「苦い!」と言って飲めないケースが圧倒的に多いのだが、それを「おいしい!」と言って飲むお子さんがおり、そのようなお子さんは味覚の特異性を持っているのだ。

 

なので、そのような味覚の特異性を持っているお子さんにとっては、一般的に多くの子どもたちが「美味しい」と食べることが出来る食べ物でも、全く美味しく感じないのである。

 

 このようなことを全く考慮せずに「とにかく偏食を無くしたい!」と必死になっている保護者さんが少なからずいらっしゃるし、そのような保護者さんはそのことだけで疲弊しているケースも多い。

 

 これは親にとっても子どもにとっても、良いことは一つもないと僕は感じる。

 

食事はもちろん栄養素を摂取するために大切な行為であるが、それが「苦痛」な行為になっては本末転倒ではないだろうか。

 

まずは食事をするという行為がイヤなことではなく、楽しかったりイヤではないという行為として毎日を過ごせることを目標にして欲しい。

 

 嫌がる物を食べさせることに拘り、疲弊し、その辛さやストレスを子どもにぶつけてしまうケースが多い。

 そうなってしまうと、誰のために何のために頑張っているのかもサッパリ分からなくなってしまう。

 

 僕が相談を受けてきた保護者さんには、「子どもは成長に伴って食欲が増してくるとそれまで食べなかった物も食べるようになるケースは多い」ことを伝えている。

 

まずは子どもと一緒に過ごしたり関わったりすることが「苦しく」ならないことが、子どもにとっても親にとっても大切なことなので、「ま、いいか!」という気持ちを

持てるよう意識していけたら良い。

国は3年ごとに障がい福祉サービスや児童福祉法によるサービスなどの制度や報酬改定を行う。

 この改正の方向性によって、人員配置やスタッフの保有資格による加算算定要件なども毎回変わるので事業所経営にとっては死活問題にもなる。


これは令和3年に行われた改正の中の放課後等デイサービスの概要だが、これによってそれまでは重度のお子さんを多く受け入れて来た事業所などは大幅な減収になってしまった。


報酬単価が下げられたことも問題だが、1番大きな問題点は、分かりやすく言うと現場スタッフの配置人数が3人分まではある程度の加算などで賄えるが、4人目の人件費分の加算算定のハードルが厳しくされたことだ。


要するに、それまでは現場スタッフを4人で定員10名のお子さんを支援してたけれど、これからは3人分しか報酬が頂けないから3人で10名を支援してね!ということになる。


これによって何が起きるかと言うと、現場スタッフが仕事のキツさで耐えられなければ退職者が増えるということだ。


経営者としては何とかスタッフを疲弊させずにしっかりとお子さんを支援する体制にしたいけれども、今までみたいなスタッフ人数だと赤字になってしまうのが大問題である。


それを防ぐためにどうするか?というと、4人目を配置するための加算要件になっている心理職や理学療法士、作業療法士、言語聴覚士を常勤で採用することだ。


このような方向性で国は発達支援をかんがえているようで、僕の中では強い憤りを感じている。


保育士の専門性や子どものコミュニケーションスキルなどへのアプローチの必要性などがどんどん軽視されて医療のリハビリ的な要素の支援しか発達支援として認められなくなっていく危険性を感じている。


学力的に頭の良い人たちが制度設計をして、財務省の圧力によって給付費支出を減額するために動いているとしか僕には思えない。


本当に困ったことだ。


療育ではさまざまなお子さんが通所されているので、

 

一人ひとりに合わせたツールをスタッフは

 

頭を悩ませながら用意している。

 

本人の気持ちや考えも聞きながら一緒に約束事を

 

決めて、

 

 

シールを集めたら良いことがある!

 

 

このように、そのお子さんが好きなことをアセスメントする

ところから始めて、望ましい行動に導いていくアプローチが

大切です☆

 

新年度になってから多くの利用希望者の見学対応をさせて頂いていますが、やはりご保護者さんがお子さんの通い先として事業所に「何を求めているか?」を的確に捉えることが大切だと強く感じます。

 私たちがどれだけ「うちはこんな療育です!!」とウリにしていることを訴えても、お子さんの発達状況に合わせた内容でなければ意味がないし、保護者さんが求めていることと合わなければ選んで(契約して)頂けないのです。

 

※画像は文の内容と無関係です。僕の朝のウォーキングコースの風景でした。

 

特に都市部だと事業所の過当競争ですから、それぞれがウリにしていることをとにかくPRをして契約者の確保に必死です。

 

子どもの発達支援において、何か一つの分野だけの活動をすれば良いわけではありません。保護者さんが何を求めているか?そのお子さんにとって何が必要か?

 

これにどれだけ応えることが出来るかが、選んで頂くカギになります。

 

そこで必要なのは、発達に必要な全ての領域にアプローチをするための「引き出し」です。特定の活動だけをやっている事業所との違いは、ここにあると思っています。

私たちはもう15年以上にわたってお子さんの発達支援を提供してきたこともあり、これまでのノウハウや支援事例の関わりなどを生かして、そのお子さんに合わせた支援をします。

 

 これらのことから、事業所がお子さんや保護者さんに「自分たちの活動に合わせてください」というスタンスではなく、事業所側がお子さんや保護者さんのニーズに合わせるということがいかに出来るかが、事業所としては今後生き残っていくポイントになるでしょう。

 

 2年後に控えている制度改正では、全ての領域にアプローチをするような「総合支援型」か、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などによる「特定プログラム特化型」の二つに分けられることがほぼ確定しています。

 これが何を意味するのかというと、分かりやすく言うと習い事のような形態の活動内容だと児童福祉法の指定を受けられなくなる可能性が高いということです。

 今までの流れで考えると経過措置はあるとは思われますが、やはり公費を支出した事業に対しての縛りは厳しくなり、発達支援に繋がることが乏しい「習い事」は税金で負担しないという方向に向かうのは間違いないでしょう。

 

 そのような視点も踏まえた上で、事業所を選んでいく人も増えてくると自分は予想しています。