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徒然なるままに

中国・北京で開催されているアジア太平洋経済協力会議(APEC)で、安倍晋三首相-習近平国家主席の会談が実現した。首相対国家主席の日中首脳会談は、2011年12月以来、約3年ぶり。本当に久しぶりだ。
日本での報道では、会談が30分に満たない非常に短いものであったこと、そして、安倍さんの挨拶に習さんが笑顔ひとつ見せずに握手に応じたことがクローズアップされていた。笑顔なき対応は、ホスト国としてのプライドが、会わずにおきたい気持ちにギリギリで勝ったことを物語っているようだった。今回の会談では、戦略的互恵関係を引き続き発展させていくことで両国は合意したようだが、握手のシーンを見る限りだと、戦略的互「警」関係といったほうが現実をより反映しているかもしれない。
対中国との戦略的互警関係で思い出すのは、2005年にマレーシア・クアラルンプールで開催された東アジア首脳会議。当時も日中関係は「政冷」状態だった。そのような状況のなか、首脳宣言の署名式で当時の小泉純一郎首相は、自分のペンを使わず、隣の席に座る中国の温家宝首相からわざわざペンを借りて署名をした。その時の温さんの何とも形容しがたい表情がすごく記憶に残っている。
同じ戦略的互警関係でも、「戦略」を重視するか「警戒」を重視するかで相手国へのアプローチはだいぶ変わってくる。外交の醍醐味としては、やはり前者を期待したいものである。
今日発売の「週刊少年ジャンプ」50号で、15年にわたり連載を続けてきた、岸本斉史さん作の人気漫画NARUTOがついに完結した。全700話。これだけ長期連載の漫画になると、数多い登場人物のフォロー、物語の整合性の維持、張り巡らされた伏線の回収など、限られた作画期間のなかで物語を紡ぐのは本当に大変だっただろうと思う。
昨日、有名漫画家の作画シーンに密着する「漫勉」というテレビ番組を観ていたら、プレゼンター役で出演していた漫画家の浦沢直樹さんが、漫画も最初は真っ白の紙から始まるんだと強調していた。真っ白な紙から広がっていく世界。NARUTOの場合は、人気漫画ゆえの宿命でもあるが、アニメ化・映画化から関連グッズ販売に至るまで、作者の想像をおそらく大きく超える領域にまで世界は広がっていった。
かつて、ロックバンドL'arc-en-Cielのヴォーカルhydeさんが、バンド結成20周年を祝うコンサートで、現在のバンド活動を「大きな船を動かすかのよう」と表現していた。漫画とバンドは、それぞれ画と音をゼロから自分たちで創り上げていくものだが、それらが高い人気を得た時にはもはや自分たちで制御できる存在でなくなっているという点では、少し似ている。
真っ白な紙から無限に広がった先に見える世界を、間違いなく覗いたであろう岸本さん。人気漫画ONE PIECEの作者である尾田栄一郎さんが、「ジャンプ」50号の扉絵の中で岸本さんに温かいねぎらいのメッセージを送ったのは、その世界の正体を誰よりもよく知っているからなのかもしれない。
フィギュアスケートのグランプリシリーズ第3戦中国大会。男子は羽生結弦選手が2位、女子は村上佳菜子選手が3位に入り、グランプリファイナル進出に望みをつないだ。羽生選手は、演技直前の6分間練習で中国の閻涵選手と激突し、頭部などを負傷したなかで強行出場。結果よりも、まずは両選手の無事を願いたい。
それにしても、シリーズ第1戦で優勝した町田樹選手といい、第2戦で優勝した無良崇人選手といい、日本男子の選手層がますます厚くなった。今世紀に入ってからの日本選手の変遷を、冬季五輪開催年を節目ととらえて振りかえってみると、若干のこじつけ感はあるが、日本男子は日本女子の流れを4年ほど後ろから追いかけているような感じがしてくる。どんな世界でも必然といえる栄枯盛衰。男女とも、これからどんな時代に向かっていくのだろうか。

○男子
2002~2006 ベスト3を夢見る時代(本田武史選手など)
2006~2010 トップを夢見る時代(髙橋大輔選手、織田信成選手など)
2010~2014 トップが現実的になる時代(髙橋選手、小塚崇彦選手など)
2014~2018 トップが当たり前になる時代?(羽生選手、町田選手など?)
○女子
2002~2006 トップを夢見る時代(荒川静香選手、村主章枝選手など)
2006~2010 トップが現実的になる時代(浅田真央選手、安藤美姫選手など)
2010~2014 トップが当たり前になる時代(浅田選手、鈴木明子選手など)
2014~2018 トップが難しい時代?(村上佳菜子選手、宮原知子選手など?)

中国大会で日本選手以外で気になったのは、2位ながらもフリープログラムでのミスが目立ったロシアの16歳、ユリア・リプニツカヤ選手。まるで8年前の浅田選手の滑りを見ているかのようだった。浅田選手も同じくらいの年齢の時に、それまでは軽やかに飛んでいたトリプルアクセルなどの難度の高いジャンプにミスが出始めたような記憶がある。体の成長によってスムーズに跳躍して回転することが難しくなることに加え、心の成長によって試合のプレッシャーも本格的に感じ始める時期なのかもしれない。困難を一歩一歩乗り越えて、浅田選手のように、多くの人に愛される魅力溢れるスケーターになってもらいたいなと思う。