夕方、干しておいたウサギのマットを取り込もうと庭に出ると、コジュケイが来ていた。2羽。つがいだろうか。
驚かさないようにその場にしゃがみ、様子を窺う。
お隣に立つ桜の樹や、裏のクヌギの木で最近よく鳴きたてているのと同一個体だろうか。
朝はよくその声で起こされる。
100年ほど前の帰化種らしい。逃げ出したものや、放鳥されたものが増えたものだと言うのだけれど、すっかり日本に馴染んでいる。
野鳥についての古典、中西悟堂氏の「野鳥記」を読むと、昭和20年代当時は随分とまだ少なかった事が読み取れる。
この季節は庭にはムラサキカタバミが沢山咲く。
これも帰化種だそうだ。
道端に咲くユウゲショウ、堤防にさくヒメオドリコソウ、みんな帰化種なのだとか。見回すと意外と多い。
鳥を見ながらまだうずくまっていると、クヌギの木にアオゲラが訪れ、声を上げ、次にコトコトと静かに木をつつき始めた。
伊豆には古くから多いとされているキツツキだ。
その向こうでは中国から来たガビチョウが騒々しく鳴く。
コジュケイは程なくクヌギの下の茂みに隠れた。
立ち上がると私の後ろでは妻が、洗濯を取り込もうと籠を抱えて控えていた。
待っていてくれたのだ。妙なお付き合いをさせてしまった。
ウサギのマットは午後になって干したので、まだ生乾きだった。
続きは部屋の中干しだ。
この季節は人参を干してもも中々乾いてくれないし、やっかいな季節だ。
アオゲラは幹をつつく音が聞こえるばかりで、茂った葉に隠れて、その姿はちっとも見えないままだった。