他人との比較ではなく自分基準でお金の管理を
突然ですが、優れているとか劣っているというのは、どういった基準で決まるのでしょうか?
このたび「自分は平均より優れている」と錯覚してしまう仕組みが解明されたのだそうです。
ドーパミン:量が多い人ほど「自分は優秀」と錯覚
ドーパミンとは、快感が高まったときに脳から分泌される物質だそうです。私は趣味と健康維持を兼ねて、ロードバイクで走ったりランニングなどしていますが、時折「このまま、いつまでも走っていたい~!」という気分になることがあります。これも、ドーパミンの効果だったのかもしれないですね。
ところで、人が優秀か劣っているのか判断するのは、ドーパミンもあるかもしれませんが、他人との比較という部分もあると思います。
「あの人は勉強ができる」「自分より仕事が速い」「自分は人付き合いが下手だ」など、挙げればキリがありませんが、人は他人との相対的な比較の中で、自分が優秀なのか劣っているのかを決めていないでしょうか。
これは家計管理にもいえますね。少ない金額でやりくりできるのが優秀なのかといえば、必ずしもそうではないでしょう。それでも、ライフプラン相談で家計の収支をお聞きすると、「これって使い過ぎですか? 他の人たちはどうなんですか?」と聞かれます。
お客様にとっては、何か基準となるものを求めているように感じますので「一般的には、このくらいの金額のようですよ」と、家計調査などのデータをお見せすると、「やっぱり使い過ぎだ!」「意外にうち使ってないね」など反応はさまざまですが、少し落ち着いた様子になることもあります。
でも、実際には生活費に絶対的な金額は無くて、家族構成や収入、生活スタイルによって変わってきます。ですから、仮に月20万円の生活費が多いのか少ないのかは、単純に金額だけでは判断できません。つまり、同じ生活費でやりくりしている人がいたとしても、節約しているのか、使い過ぎなのかは一概に言えないのです。
やっぱり、毎月の給料から貯蓄分を差し引いた上で「毎月この金額で生活していく!」という自分だけの基準を持つことが、お金の使い過ぎを防ぎ、お金を残すことのできる最適な家計管理といえるでしょう。
お金が無駄になっても大事なことはある
いきなりですが、皆さん「こち亀」をご存知でしょう?
東京・亀有を舞台に、警察官・両津勘吉が、その破天荒なキャラで騒動を繰り広げる漫画ですね。私も社会人になるまでは下町で育ちましたから、連載開始の頃から読んでいました。
そんな「こち亀」のような騒動を起こした警察官が、実際にいたようなのです。
賭け麻雀がいけないことは誰でも知っていることですから、あろう事か警察官がやってしまっては、さすがに言い訳のしようはないですね……。
そもそもなぜ、賭け麻雀をするのか。つまるところ「お金を増やしたいから」ではないでしょうか?
私たちが合法的に使えるお金(可処分所得)を増やすなら、「収入を増やす」「支出を減らす」「運用で資産を増やす」この3つしか無いのです。これらはまた、ライフプランを立てて、そのプランを実現するために大切な3つの要素でもあります。
きちんと働いて収入を得て、無駄な支出を減らし、毎月の積立貯蓄や余裕資金を投資で運用できれば、少なくても経済的な面からはライフプランを実現できる可能性は高まりますね。
一方で、ライフプラン実現を阻害する要素もあります。それは死亡や病気で収入が途絶えたり、お金を取り崩してしまうリスクです。こういったときに役立つのが保険。一家の収入を支える人に万一のことが起きた場合、残された家族が生活していくためには、遺族年金などの公的保障で足りない分を、生命保険などに頼るのです。
こうして見てみると、ライフプラン実現のための投資や保険も、言い方はよくないかもしれませんが「賭け」的な要素はありますね。
つまり、投資であれば買った会社の株価が必ず上がる保証はなく、下がれば元本割れになりますし、外貨の運用でも、為替の動向次第で変動があります。
保険の場合は、保険期間が終わるまで何事もなく過ごすことができれば、基本的にはそれまでに支払った保険料は掛け捨てなりますが(一部の保険には、満期金や解約返戻金のある保険もあります)、保険期間中に万一のことがあれば、設定した数百万円~数千万円の保険金が受け取れます。
このように、私たちは生活の中で意外にも「もしかしたら捨てることになるかもしれない……」といったことにも、お金を「掛けている」のです。でも、それは決して悪いことではなく、将来の老後資金作りのためであったり、万一のときにもきちんと生活していくために必要なお金を得るためですね。
同じ、お金をかけるなら、「賭ける」のではなく「掛ける」でいきたいものです。その方が、本当に望むライフプランを実現することにもつながりますよ!
30年後も今と同じなら居場所はない?
皆さんは、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」という映画をご存知でしょうか?
1985年に1作目が公開され、シリーズで3作が製作されました
内容は、高校生のマーテイーと怪しい科学者(?)ブラウン博士が、過去・現在・未来を舞台に、自分や家族に降りかかる災難を回避するべく活躍するエンターテイメント映画です。
その中でシリーズ3作目に、印象的なシーンがあります。
詳しい内容は覚えていませんが、1985年から過去(1955年)にタイムスリップした主人公マーティーが、若かった頃のブラウン博士と共に、アメリカ車のデロリアンを改造したタイムマシンの故障をチェックしている時のシーンです。
壊れた部品を見たブラウン博士は「やっぱり、日本製だからだ」と言うと、マーティーは「日本の製品は最高の品質だよ」と切り返します。
私はまだ生まれていませんでしたが、1955年当時、日本製品の品質はアメリカ製品に遠く及ばなかったことが想像できるシーンですね。そこから30年後の1985年に生きるマーティーにとっては、日本製と言えば高品質と言うイメージを持っていたのでしょう。
1985年と言えば日本はバブル前夜で、為替も1米ドル=200円を超えるいまでは考えられない水準。その頃にはすでに日本製品の高品質イメージと共に、アメリカへの輸出が増えて貿易摩擦も発生していました。
それから30年近くの時を経たいま、相変わらす日本製品は世界的に見れば、高品質の製品を作る国であることには変わりはありません。しかし、電機製品や自動車など輸出がメインの企業は円高や新興国の追い上げなどもあって、苦戦している状況です。30年前にこの状況を予想した人は、果たしてどれだけいたでしょうね。
つまり、「いいものを作れば売れる」という時代はすでに終わり、品質だけでなく、価格競争力やマーケティング力など、ユーザーの感性に訴えるプラスアルファが必要になったとも言えます。
こういった傾向は、働き方にも言えるのではないでしょうか。学校を出て就職し、まじめに働いていれば役職が上がり、給与増と定年までの雇用が保証され、退職金をもらうと同時に年金を受給して悠々自適の老後生活へ……。そんなライフスタイルもすでに過去のこと。いまは、雇用や出世が保証される時代ではありませんし、年金受給開始年齢も上がっています。
つまり、製品も生き方も画一的な考えが通用せず、「らしさ」が求められる時代と言えるのではないでしょうか。
そのためには企業も個人も、将来のビジョンをしっかりと描くことが大事。個人レベルでいえば、しっかりとライフプランを立てて、将来望む生活を実現するための行動計画や資金計画を作ることが何より大切。
30年後に「自分らしく」生きるためにも、先延ばししている時間はなさそうです。
お金は勝手に消えません!
もし「国のお金が217ドルしか残っていません!」と、財務大臣が発言したらどうしますか?
実は、アフリカのジンバブエという国で財務相が発言してしまったようです。
個々の家庭ならば、まずは無駄な費用を見直して支出を削減をしたり、場合によっては副業や奥さんが働くなど収入アップの行動がとれるでしょう。
しかし、国という単位で考え場合は、いきなり税収を増やすのは現実的ではないですし、国債を発行したとしても信用がなければ買ってもらえませんから、そう簡単には改善できないですね。
ジンバブエの国庫残高発言の真偽のは分かりませんが、火のないところに煙は立たないと言いますから財政は苦しいのでしょう。
さて、他国のことはともかく、日本ではアベノミクス政策が推進されています。ハードルは高いですが、2%成長が実現できれば、企業や個人の収入が増えて日本の財政改善にもつながります。
国や家庭の収支は、黒字にならないと借金や貯蓄の取り崩しが増えていずれ破たんしてしまいますから、個々の家庭でお金の貯め方についてもあらためて考えていたいですね。
そのためには、毎月・毎年の家計管理が重要ですが、しっかりと管理をしていたとしても収支が合わなかったり、「なんでこんなにお金が減ったの?」と思ったことはないですか?
その原因は「使途不明金」です。つまり、使ったはずなのに使った記憶(記録)がないために、収支が合わなくなっているのです。
使途不明金になりがちなのは、例えば子供に臨時の小遣いをあげたり、夫婦で支払いを分担していた費用をどちらかが立て替えたり、突然集金に来て支払ったりなど、普段あまり発生しない支出があった時です。
これを解消するためには、ちょっと面倒かもしれませんが、1円でもお金を使ったり渡したときには必ず記録する! ということに尽きます。現金でもカードでも電子マネーでも、とにかく使ったら記録に残す……。スマホを利用している方なら、簡単で便利な支出管理のアプリもありますから、活用すれば簡単で長続きします。
光熱費や保険料など、銀行などの口座振替で支払っている支出は通帳に記録が残りますから心配ないでしょう。
1円単位でお金を管理できている人は少ないと思いますが、使途不明金はある程度まとまった額になることが多いですから、これを把握して解消できればお金の貯まり方が加速します。
住宅ローンの借り換えや保険の見直しの前に、まず使途不明金退治を実践することから始めてみませ
んか!
私たちのニーズが作る「安くて良いもの」
デフレからの脱却や経済成長を目標にしたアベノミクスが話題です。物価上昇率2%と、ハードルの高い目標も盛り込まれているのですが、政府と日銀がタッグを組んで頑張っていくそうです。
そんな中、デフレ時代を象徴するようなニュースもありました。
セブンイレブンvsマック「100円コーヒー」の戦いが始まった
マックの100円コーヒーは、皆さんも一度は飲んだことがあるのではないかと思いますが、結構いけますよね。高速道路のサービスエリアに置いてある、自販機の100円コーヒーに比べたら300円でもいいと思えるほど!?
ついにコンビニでも、豆から挽きたてのレギュラーサイズコーヒーが100円で買えるようになるとは、どんなクオリティなのかが楽しみですね。
ここ数年のPB(プライベートブランド)の普及もそうですが、100円コーヒーのように安くて品質の良い商品は、メーカーが売らんかなで出すのではなく、実は消費者のニーズが発売を後押ししているのではないでしょうか。
例えば軽自動車。昨年、2012年の国内新車販売に占める軽自動車の割合は約37%と、売れた車の4割近くは軽自動車なんです(日本自動車販売協会連合会の統計データより)。
軽自動車の価格は一部を除いて決して安いとは言えないのですが、燃費や税金・保険料など、購入後の維持費の安さが受けるようです。ひと昔前の軽自動車は(私も乗っていたことがありましたが)、価格も安かったですが造りも走りもそれなりの印象でした。ところが、最近の軽自動車に試乗する機会があったのですが、よく走るし静かで、内装や装備もコンパクトカー以上かと思わせるほど充実していました。
なぜ、メーカーが軽自動車に力を入れるようになったのか? それは買う人が増えたからです。
軽自動車やコーヒー、発泡酒などは、当初は安いから買っていたという側面が大きかったのではないかと思いますが、徐々にマーケットが拡大するにつれて、メーカーも価格だけではなく品質で競うようになった結果が、現在の「低価格高品質」につながっていると思うのです。
デフレ時代が長く続いていますが、現代の消費者は、趣味の道具など本当に必要なものであれば多少高価なものでも購入し、日常的に使う消耗品的なものであれば安価なもので済ます……。そんな消費性向があると思いますし、こういったお金の使い方なら、満足感も上がりお金も貯まることでしょう。
物価上昇2%を実現するのは容易ではないと言われていますが、一人ひとりがお金をかける部分と割り切る部分など、変化を付けた消費を心がけることができれば、アベノミクスの物価上昇率2%も実現するかもしれないですね。
入社と同時に退職金がもらえたらどうする?
プロ野球もキャンプインして、新人選手の話題が賑やかですね。
毎年新しい選手が入団していますが、ドラフト1位で契約金1億円!というスター選手もいれば、契約できずにプロ野球を去る選手もいます。そんな中、こんなニュースが……。
一見華やかに見えるプロスポーツの世界でも、やっぱり一般の会社員の人たちと同様に、引退後の収入や進路に対して漠然とした不安があるのですね。
しかし、プロ野球選手と会社員には大きな違いがあります。それは「契約金」です。
プロ野球選手は入団時に数千万円から1億円の契約金を受け取ります。考えてみたらこれはすごいことですね。いくら学生時代に野球で実績があるからと言っても、プロの世界で未知数の若者にこれだけのお金をかけるのですから。おそらくは、プロ野球選手の契約金は退職金の前払いという側面があるのでしょう。
それに対して会社員はどうか。いくら高校や大学でいい成績だったとしても、いきなり高給をもらえたり、先に退職金をもらえることなどあり得ませんよね。ただし、終身雇用の前提が揺らいできたとは言え、プロ野球選手に比べれば雇用の面ではまだ、会社員の方が安定感はあると言えそうです。
ここで、プロ野球選手と会社員の将来のお金について比べてみましょう。
仮に高校卒のプロ野球選手が契約金5000万円を受け取り、60歳までの42年間金利1%で複利運用したとすると、42年後には約7600万円になります。これ以外にも、現役時代の年俸や引退後の収入から、毎年46万円ずつ金利1%の複利運用で積み立てたとすると、42年後には約2400万円になりますから、契約金の運用成果と合わせて60歳時点で1億円が用意できることになります。
もし、高校卒の人が60歳定年の42年間で7600万円を貯めたいと思ったら、金利1%で複利運用する場合、毎年約146万円ずつ積み立てる必要があります。毎月で考えると、約12万円ずつお金を残していかなければなりませんから、現実的ではないですね。
では、仮に毎年60万円を42年間、同じく金利1%の複利運用で積み立てたとすると、60歳時点では約3100万円になります。これに加えて60歳で退職金を2000万円もらえたとすると5100万円ですから、プロ野球選手の1億円には遠く及びません。
こうして見てみると、先払いでまとまった契約金をもらえるプロ野球選手は有利に思えますね。しかし、プロ野球選手は成績がすべて。良い成績が残せなかったり、大きな故障があれば、数年間で引退に追い込まれることもあるでしょう。引退後の収入や進路には保障がありません。
太く短く働くか、細く長く働くのか……。あなたならどちらを選びますか?
単純比較できないこともある
今年の成人式、関東では大雪が降り、新成人の方々は成人式会場へ行くのに苦労されたことでしょうね。
今年の新成人(平成25年1月1日現在20歳の人口)は122 万人で、男女別に見てみると男性63万人、女性は59万人。総人口に占める新成人の割合は3年連続で1%を下回っています。ちなみに昭和43年の新成人は男女合計で236万人、総人口に占める割合は2%を超えていました(データは総務省統計局「統計ヘッドラインNo.35」より)。
45年前に比べると、今年の新成人の数は約半分ですから、まさに少子化を実感する数字ですね。そんな新成人が利用している、ソーシャルメディアについての利用調査が発表されました。
ニフティとコムニコ、ライフメディア、共同で新成人を対象としたソーシャルメディアの利用実態調査を実施
この調査によると、最も利用するソーシャルメディアは「Twitter」で、次に「LINE」なのだそうです。この結果は、スマホの普及による影響がかなりありそうですね。
「Twitter」や「LINE」だけでなく「Skype」や「Facebook」など、いまやスマホでのコミュニケーション手段は多種多様で、しかもそのほとんどは無料で使えるものばかり!
しかも「LINE」同士、「Skype」同士なら通話まで無料ですから、かつて固定電話や携帯電話で、通話料を気にしつつ長電話していた頃が懐かしく・・・。
ならば、昔より通信費は下がってもよさそうなものですが、FP相談で支出の内訳をお聞きすると、通信費は決して少なくない家庭が多いですね。特に高校生から大学生くらいの子どものいる家庭では、親が子どもの分まで通信費を支払っているケースが多いですし、ソーシャルメディア利用のためのパケット通信料がかかることもあって通信費は膨らみがち。
このように、無料で利用できるものがある一方で、パケット通信費がかかるスマホは、便利さとコスト増の二面性を持っているとも言えます。そして、スマホ以外にも二面性に注目して考えなければいけないことがあります。
例えば車の場合。最近はハイブリットカーが人気ですが、通常のガソリン車より価格が割高でも、燃費がいいからその後のランニングコストで元が取れる、と思っている方は多いですね。
しかし、燃費で元を取るには相当の距離を走らなければならず、元を取れる頃には走行距離も増えて買い替え時期・・・なんてこともあり得ます。
また、住宅の場合はどうか。賃貸に住んでいる方がマンション購入を考えている場合、家賃と同じ程度のローン返済額なら今までと変わらないし、ローンが終われば財産にもなるからお得! と思われる方もいるでしょう。
しかし、持家になると固定資産税や管理費・修繕積立金などが発生しますし、住宅設備に不具合が起きても賃貸ならほとんどの場合貸主の方で修理してくれますが、持家なら自費で修理になります。
持家は、ローンが終われば自分の財産にもなるとは言え、その頃にはリフォームが必要になる可能性もあります。家賃並みの返済額で買えるからとすぐに契約するのはリスクが大きいですね。
車にしても住宅にしても、支出が本当に減らせるかどうかは、単純に金額だけの比較だけではできません。そもそも支出を減らす目的は、将来のお金を増やすためですよね。
将来、本当に必要な分のお金を残すことができるのかどうか・・・。
それを知るにはライフプランを立て、お金の収支と資産残高を時系列でみていくことで初めて明確になるのです。
高額なお買い物を検討中の方は、表面的な支出だけでなく、将来のお金の残り方を含め、いろいろな角度から費用の検討をしてみてくださいね。
あなたにとって大切な、お金の使いどころは何ですか
皆さん、ユニクロを利用したことはありますか?
おそらく多くの方が、一度は利用したことがあるのではないでしょうか。私自身は、品質と価格のバランス感がいいなと感じていて、この時期はヒートテックやダウンなどでお世話になっています。
そんなユニクロが、所得層を問わず利用されているという記事がありました。
高所得者層ほどユニクロ好きが多い理由~男性みだしなみ意識調査
ユニクロと言えばリーズナブルな価格もウリですね。今回の調査では年収1000万円以上の高所得者が、ユニクロの利用度が高いという結果になっていますが、決して高所得者が服にお金をかけていなということではないと思います。例えば、ビジネスにおける勝負服ならば、既製服ではなくテーラーメードにするとか。
つまり、所得の多少にかかわらず、支出に対する優先順位をどのようにつけているのかが大切なのです。もう少し平たく言えば、自分にとってお金を一番使いたいこと、お金を使うべきことは何なのか、決めることができているかどうかです。
「これだけは絶対に譲れない、金額で妥協したくない!」「これは、そこそこの品質であれば安くてもいい」など、皆さんも普段から意識せずに、支出に対しての優先順位を付けていると思います。
お金を一番使いたいことは人それぞれです。趣味にお金をかける人、住まいにお金をかける人、あるいは子どもの教育にお金をかける人など……。マーケティング的に考えても、消費者は自分にとって本当に大切なことならば、惜しみなくお金をかけると言われています。
ファイナンシャルプランナーは、単にお金の増やし方や節約術だけが仕事ではありません。その人が「最もお金を使いたいこと実現させるための資金計画」も大切な仕事です。
例えば住宅購入、定年後の資金、独立起業など、一人ひとりが望む生活を実現するための、資金計画のアドバイザーなのです。
支出に対して優先順位を付け、毎月や年間の支出計画を立てることで、家計のバランスがよくなり、将来のキャッシュフローが改善され、皆さんが望む夢の実現にも大きく近づきます。
さぁ!今日からでも、あなたにとって一番大切なお金の使いどころは何なのかを考えてみませんか。
割高が結果的に割安?
いきなりですが、みなさんに質問です。
例えば、1個500円の商品があったとしましょう。この商品が3個1000円で売り出されたら買いますか? まともに3個買うと1500円ですから、1000円で買うことができれば約3割引き相当で500円の得をするわけですね。
このように流通の現場では通常、大量に買ってもらえる場合は割安に、少ない量なら割高な金額で販売されることが一般的。ところが、そんなお得に買うための法則に逆らうような買い方が、増えているんだそうです。
小容量品の場合は、大容量品を買って同じ量を消費することを考えた場合には結果的に割高になるわけです。それでも単身世帯、特に高齢者の一人暮らしが増えているいま、少量品の方が合理的なんでしょうか。
実は、私の高齢の母も近隣のマンションに一人暮らしをしていまして、時々まとめ買いをするときには付き合うのですが、食品でも日用品でも「小さいのはないの?」とあれこれ探しながら買い物をしています。消費しきれなくて余らしてしまい、処分するのはもったいないという心理もあるとは思いますが……。
昔のような大家族が中心の時代ならば、大容量で購入してもすぐに消費してしまうことが多かったと思いますから、たくさん買って使い切るのが家計面からも経済的で良かったわけですね。しかし、核家族、単身世帯の増えているいま、少なくても日本国内においては「大量購入、大量消費」の時代は終わったと言えます。
それでは、こういった量の多少による買い物の仕方が家計にどういった影響を与えるのか? 前記の通り、小容量を回数多く買った場合と大容量を時々買った場合では、同じ量を消費するのなら、ほとんどの場合後者の方が家計的には支出は減るでしょう。
しかし、いくら大容量品が得な場合でも、不要なものをたくさん買う人はいないと思います。極端に言えば、200万円の車を2台で300万円と言われても、おそらくですが2台買う人はほとんどいませんよね。いるとすれば、家族が多くてどうしても車が2台必要だとか、そんな家庭でしょうか。
また、多めに買ったからしばらく買わないかというと実はそうでもない、といったこともあり得ます。意外に多いのは、買ったことを忘れて同じものを再度買ってしまうケース。それが原因で毎月1万円多く支出してしまったとすれば、30~40年の期間で考えた場合には、将来のキャッシュフローは全く違うものになり、それは老後生活の資金にも影響を与えます。
大容量品を買うのか、小容量品を買うのかは、家族構成やライフスタイルによって選択されるべきもの。必ずしも高齢者だから、単身者だからということではなく、共働きのディンクス世帯でも小容量品の方が経済的です。
安い大容量品を買ったものの、使い切れずに処分してしまうのであれば、初めから小容量品を買って使い切った方が経済的ですし、精神的にもよいですね。
損して得取る住宅購入戦略!
2012年のF1日本グランプリで、自身初の3位表彰台を獲得した日本人唯一のF1ドライバー小林可夢偉選手。残念なことに、2013年シーズンは走るチームがないとのニュースがありました。
F1はマシンを速く走らせる技術はもちろんですが、それに加えて所属チームに対して、いかに活動資金を持ち込めるかも大事な要素。しかし、そのためのスポンサー探しが難航したため、一般からの寄付金の募集を開始すると、いくつかの企業からの支援を含め、目標額に近い総額800万ユーロ、日本円で約8.9億円(2012年12月25日の為替レートを参考に換算)の寄付金が集まったとのこと。
まさに夢を実現するための前向きな行動力と、それを支えようという日本のF1ファンの懐の深さを知らされた出来事でした。
しかしながら、結果としてこれだけの寄付金が集まったにもかかわらず、可夢偉選手が望む「優勝を狙えるチーム」とは契約できなかったんですね。そして、来年はレースには参戦せずに、集まった寄付金は2014年に希望チームとの契約を実現するための資金とするそうです。
戦闘力の低いチームなら、もしかしたら契約できたかもしれない所を、あえて浪人の道を選んだ所に、可夢偉選手の日本人初のF1優勝への執念を見る思いでもありました。
このように「損して得取れ」的に、目先のことだけ考えるのではなく、あえて時期をずらすことで結果として自分が望む夢を実現できることは、私たちの身近にもありそうです。
例えば、一浪して希望の大学に入学した場合。もし将来やりたいことがあって、どうしてもその大学・学部でなければならないのであれば、現役合格できなくても、1年間の浪人生活で費用は余計にかかりますが、長期的に見ればそれは正しい選択になるでしょう。また、近年では企業の厳しい採用事情を背景に、就職に関しても浪人して希望する会社に入る若者もいますね。
大学入学や就職も大事なライフイベントですが、それでは住宅購入の場合はどうでしょう。
いま、消費税アップ前に買ってしまおうと考える方は多いと思います。いま買うのか、消費税が上がってから買うのか、どちらがいいのかといった比較もさまざまなメディアなどで行われています。
しかし、消費税アップ前後の単純なコスト比較だけでなく、今後打ち出されるであろうさまざまな国の住宅支援策も見極めたいですね。例えば、2013年末で終了する住宅ローン減税。これをさらに数年間延長することや、控除額の拡大などが今後検討されるようです。また、住宅販売側から考えれば、増税前の駆け込み需要後の反動減から、価格を引き下げてくる可能性も考えられます。
子供が増えるからもう一部屋欲しいなど、差し迫った事情のある方がいるかもしれません。しかし、いますぐではなく、住宅にまつわる支援策や販売事情などを検討しながら数年購入を我慢し、その間に自己資金を少しでも多く貯めることができれば、結果的に住宅ローンに占める利息額が減り、将来のキャッシュフローが楽になることもあり得ます。
目先の事情だけで住宅購入を考えるのではなく、少し遠回りしたとしても、この先住宅購入環境はどう変化するのか、自分や家族は将来どのような生活を望んでいるのかといった、長い視点で住宅選びができれば、皆さんが望むライフプラン実現の早道となるでしょう。