●二上剛 『黒薔薇 刑事課強行犯係 神木恭子』講談社 | 新・駅から駅までウォーキング

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二上剛
『黒薔薇 刑事課強行犯係 神木恭子 』
           講談社 2015.3.10発行




黒薔薇 刑事課強行犯係 神木恭子/講談社
¥1,836
Amazon.co.jp




★本の内容(Amazon.co.jpより)


24歳の神木恭子は、大阪府警長田署、交番勤
務を経て強行犯係の刑事となった。
着任早々殺人事件の捜査本部に配属される。
捜査は難航し、本部解散の声が聞かれ始めた
とき、偶然にも神木と関わった老人、安本恒
吉から事件解決の糸口が見つかり、乾義男が
容疑者として浮上する。
神木らは、恒吉の孫娘のリサと逃走した義男
を逮捕するため立ち寄り先に向かうが、現場
には他殺体があり、義男は二件の殺人容疑で
逮捕される。
義男は一件目の犯行は認めるが、二件目につ
いては否認。
神木は行き場のないリサを自宅に連れ帰る。
そして独自に捜査した結果、義男の自白に信
憑性があると判断する。
時を同じくして、恒吉の自宅の床下から男女
の三死体と嬰児の死体四体が発見される。
そして、二つの事件は奇妙に絡み合っていく。


★ここだけの話


作者は元大阪府警の刑事だった方です。
従って警察内部の描写はとてもリアリティー
を感じます。
その一方で、もしこのようなことが警察内部
あるいは裏組織で実際に行なわれているのだ
としたら、恐怖を覚えずにはいられません。


主人公の新人女性刑事は、あまりにも都合よ
く複雑化した事件に絡んでいきます。
正義感たっぷりの刑事なんだな、と思ってい
ると、案に反して悪には悪で立ち向かうタイ
プのようです。


すべては主な登場人物たちの親子2代にわた
る執念のようなものが、ドロドロとした警察
の内部事情に一刀を入れるという形で終わっ
ていました。
多少読みにくい箇所もありましたが、ストー
リー的にはおもしろかったです。
最後は想像していた通りの展開で、事件とい
うより警察の正常化に向かって終息していき
ました。


再度書きますが、警察の裏事情はこうなんで
しょうか。
この点が一番怖いです。