●森博嗣『サイタ×サイタ』講談社 | 新・駅から駅までウォーキング

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森博嗣『サイタ×サイタ』
       講談社ノベルズ 2014.11.5発行
 



サイタ×サイタ (講談社ノベルス)/講談社
¥1,080
Amazon.co.jp




★本の内容(Amazon.co.jpより)


「キレイニサイタ」「アカクサイタ」。
謎めいた犯行声明をマスコミに送りつける連
続爆発事件の犯人、通称・チューリップ爆弾
魔。
その犯行が報道される中、SYアート&リサーチ
に持ち込まれた奇妙な素行調査。
対象者―佐曾利隆夫に以前の同棲相手へのス
トーキング疑惑が浮上する。
張込みに加わったバイトの永田絵里子は、佐
曾利を尾行中、爆弾事件に遭遇する。
そして第一の殺人事件が!


★ここだけの話


「Xシリーズ」は、これが5作目となります。


最初の「イナイ×イナイ」が2007年5月
2作目「キラレ×キラレ」が2007年9月
3作目「タカイ×タカイ」が2008年1月
4作目「ムカシ×ムカシ」が2014年6月
にそれぞれ刊行されています。


いつも通りの椙田泰男の事務所のメンバーを
中心に物語が展開していきます。
そして彼らのテンポの良い会話が楽しめます。
時折はいる思考部分は、ほかのシリーズと同
様に、森博嗣特有の考えが表現されている場
でもあります。
相変わらずのこういうところが一番好きです。


今回、SYアート&リサーチの社長・椙田泰男
は電話の向こうにいるだけで、登場してはい
ません。
探偵の仕事をこなすのは、所員の小川令子と
アルバイトの真鍋瞬市、永田絵里子の3人に
同業の鷹知祐一郎です。


彼らが不思議な依頼に対処しているうちに連
続爆発事件と殺人事件が起こるという設定で
した。
今回はこうした事件そのものよりも、探偵を
している4人の思考とか行動とかに興味がわ
きます。
特に真鍋瞬市は、SMシリーズの犀川准教授
にかぶさる所があります。
クールで皮肉っぽいところです。


余談になりますが、CXでテレビドラマ化さ
れたのを見て一言。
配役にガッカリしました。


犀川准教授はファッションに無頓着な性格で
はありますが、あのヒゲづらでの登場はない
でしょう。
清潔感が薄れてイメージ的に損をしてます。
あと、しゃべりすぎです。
さらに自ら探偵のように行動してはいけませ
ん。
やむを得ず解決しているのですから。


喜多准教授は決して疑われる立場にあっては
ならないと思います。
正義の側の人間ですから。


いちばん本とかけ離れているのは、国枝桃子
です。
背がすらっと高く、ムダをすべてそぎ落とし
た女性にしてほしいと思います。


そして西之園萌絵。
彼女のかもし出す雰囲気は、割合テレビドラ
マでもよく出ていると思います。
さらに西之園家の執事の諏訪野と彼女の愛犬
・都馬が見たいですね。


元に戻って。
Xシリーズ6作目は「ダマシ×ダマシ」とい
うタイトルのようです。


最近の作品は、SMシリーズ、Vシリーズと
の関連すら感じさせないものばかり。
今回の『サイタ×サイタ』についても単独で
成りたちます。
そこがちょっと物足りなく感じるところでし
た。