連続で 殺人事件と ビル爆破
麻見和史 『水晶の鼓動 警視庁捜査一課十一係』
講談社ノベルズ 2012.5.7発行
- 水晶の鼓動 警視庁捜査一課十一係 (講談社ノベルス)/麻見 和史
- ¥945
- Amazon.co.jp
★本の内容(Amazon.co.jpより引用)
木場で男性の惨殺死体が発見された!
新人女刑事・如月塔子と相棒・鷹野が事件現場で目に
したのは、禍々しい「赤い部屋」。
壁のクロスを始め、箪笥や机、被害者の血溜まりに
いたるまで、ラッカーで真っ赤に染められていたのだ。
遺留品の捜査を担当することになった塔子と鷹野。
二人は「赤い部屋」に残された僅かな遺留品をもとに、
犯人を追う。
だが、事件は思わぬ方向に……!
個性豊かな十一係の面々も大活躍!
警察小説の新機軸!
★ここだけの話
作者の麻見和史は2006年に『ヴェサリウスの柩』で
第16回鮎川哲也賞を受賞してデビューしました。
その後、新人女性刑事・如月塔子が個性豊かな捜査一課
の仲間と共に難事件に挑む『石の繭 警視庁捜査一課
十一係』を、次に『蟻の階段 警視庁捜査一課十一係』
を出しました。
今回の『水晶の鼓動 警視庁捜査一課十一係』はこれに
続くシリーズ第3弾となります。
主人公の如月塔子が使っている腕時計は、父・如月功の
遺品で、父も警視庁捜査1課の刑事でした。
父の遺志を継ぐ形で彼女も刑事になり、遺品のクオーツ
時計を大切にしていました。
しかし、連続殺人事件、さらにはビル爆破事件が続けて
発生し、彼女が爆発に遭遇した時、その時計は壊れて
しまいます。
まだまだ駆け出しの刑事ですから、大きな失敗もあり、
また機転の利いた大活躍もします。
ただしスーパーマン的な活躍ではなく、むしろ地に足の
ついた地道な捜査が主体となって書かれています。
個人の力量ばかりでなく、警察組織の力で世間を騒がせ
た連続殺人、爆破事件は解決します。
亡き父の鼓動を感じていたクオーツ(水晶)時計は、
いったんは壊れてしまうものの、母のメールにより、
修理出来そうだとわかります。
きっとこれからも、父の鼓動を聴きながら過酷な事件に
立ち向かうことでしょう。
常に前向きに考えて行動する如月塔子は、とても愛着の
わくキャラクターです。
こういう刑事がたくさんいてほしいものです。