石持浅海『人面屋敷の惨劇』
講談社ノベルズ 2011.8.3発行
★本の内容(Amazon.co.jpより引用)
石持浅海がおくる本格ミステリ最新作登場!
子供を攫われた親たちは、容疑者宅へ押し入る。
そこは“人面屋敷”と呼ばれる不気味な邸宅だった!
新たな事件!
そして明らかになった過去の事件の真相は!?
¥1,008
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★ここだけの話
過去、東京西部で相次いで起きた連続幼児失踪事件。
我が子を失った矢部美奈子と被害者家族会の5人が
一度は警察の捜査対象となった「人面屋敷」に乗り
込みます。
そこは以前犯人かと思われた投資家の土佐が住んで
いる屋敷です。
子供たちの情報をつかみたいという6人の思いが、
屋敷内で新たな惨劇を生み出してしまいます。
子供が失踪した当時の状況や子供に対しての思いも
それぞれ違う中で、誰もが土佐を問い詰めようと
しますが、そこで最初の事件が起こってしまいます。
さらに土佐の子供を自称する女子高生が現われます。
きっと彼女は失踪した幼児の成長した姿なのだと
思いながら読み進めると、それでは他の子供たちは
一体どうなったんだろうという疑問に行き当たり
ます。
途中、屋敷内を子供たちの手がかりを求めて捜し
まわり、そして親たちの意見の対立が明らかに
なっていき、さらなる事件が起きてしまいます。
誰が今回の犯人か、互いに意見を述べますが、結構
この部分が長く続いて、物語の進行は鈍くなります。
それでも最後は警察の手に委ねられ、表向き今回の
事件は収束します。
それでは、過去の連続幼児失踪事件はどう解明され
るのでしょうか。
最後はかなり含みを持たせた終わり方です。
何人かは今も生きているかもしれないという希望を
もたせてくれます。
果たしてどうなんでしょうか。
親によって異なる子供への感情、土佐の未成熟な
子供たちへの接し方、この辺が過去の事件のキー
ポイントなんだと思います。
ただ、タイトルほど怖い内容ではありません。
安心して読めますよ。