寄り道ギャラリー1分間(その60)
今日は、アドリアーン・イーゼンブラント
アドリアーン・イーゼンブラント
『玉座の聖母子』16世紀前半
(国立西洋美術館蔵)
★ちょっとひとこと
アドリアーン・イーゼンブラントは北方ルネサンスの
画家の一人。
生地は不明だが1490年頃生まれ、1551年ブリュージュ
で亡くなっている。
彼は、ハンス・メムリンクの影響を強く受けていると
言われ、ブリュージュ派の画家とも呼ばれている。
一般的な宗教画が多いが、あまり大きな作品はない
ため、個人に向けた制作が多かったようだ。
『玉座の聖母子』は、何か保守的なイメージの絵で
慈愛に満ちたマリアと幼子を描いている。
画家は自分の理想の女性像を、マリアに重ねて描くと
言われている。
そうするとイーゼンブラントの理想の女性は、こんな
感じなのだろう。
マリアをできるだけ明るく描き、しかし慎み深さを
強調した絵になっている。
一方子供は小さく描かれ、その比率は多少おかしい。
きっとマリアを中心に描くのだから、バランス上
こうなってしまうのだ。
別の画家でも、この傾向は見受けられる。
寄り道ギャラリー1分間(その60)
‥アドリアーン・イーゼンブラント
2011.4.24 & 2011.7.23

