日本推理作家協会編
『推理小説年鑑ザ・ベストミステリーズ2011』
講談社 2011.7.5発行
★本の内容(Amazon.co.jpより引用)
世界に誇る日本のミステリー、最強の12編圧倒的
ラインナップ。
日本推理作家協会賞短編部門受賞作「人間の尊厳と
八○○メートル」深水黎一郎・著を含む、すべての
第64回推協賞短編部門候補作品を掲載!
日本推理作家協会が選び抜く、2010年に発表された
短編推理小説のベスト12!
日本推理作家協会賞短編部門受賞作、深水黎一郎
「人間の尊厳と八〇〇メートル」に加え、日本推理
作家協会賞長編部門受賞の米澤穂信、吉川英治文学
新人賞受賞の辻村深月、直木賞受賞の道尾秀介ら
最高、最強のラインナップでお届けする、究極の
ミステリ・アンソロジー。
- ザ・ベストミステリーズ2011 (推理小説年鑑)/著者不明
- ¥1,680
- Amazon.co.jp
★ここだけの話
序の部分は、日本推理作家協会理事長の東野圭吾が
書いています。
彼自身、特定の作家のファンになったことは一度も
ないと言っていますが、これは私も全く同じです。
一時期集中して読むことはあっても、時代も環境も
変化していくわけですから、別の作家の作品に感動
したりします。
どちらかと言うと、作家中心なのではなく、作品
中心主義みたいな感じです。
比較的親近感を持った作家でも、格別読みたくない
作品だってあります。
反対に今まで読んだことのない作家でも、書店の
店頭で手にして、そのまま買って帰ることもあり、
これが自分の好みに合っていたこともあります。
東野圭吾の言う通り、ミステリは多様化しています。
だからこの本のようなアンソロジーは、多数の作家
が書いていますので、新しい発見と出会いの場でも
あるわけです。
好みの作家、作品があるかもしれません。
次に新刊が出た時に購入の目安にもできます。
ここで皆さんに朗報です。
昨年の「2010」は単行本ハードカバー超豪華装丁で
490ページ、定価3675円でした。
だから昨年発売の本までは、とても重くてカバンの
中に入れて持ち歩くことなど不可能でした。
今年の「2011」は単行本ソフトカバーで402ページ、
定価1680円です。
半額以下となりました。
重さははかっていませんが、半分以下でしょうね。
軽々と片手で持って立ち読みできます。
こんなに軽く、安くなって大変ありがたいです。
反面、本棚に年号順に並べて置く楽しさは、去年
までで終わったということになります。
豪華装丁の時代は終了ということですね。
その辺の理由については、東野圭吾は全く触れて
いません。
さて12人の作者は、深水黎一郎、相沢沙呼、
秋梨惟喬、有栖川有栖、曽根圭介、辻村深月、
塔山郁、鳥飼否宇、早見江堂、平山瑞穂、
道尾秀介、米澤穂信です。
傾向の違う作品が揃っています。
私個人としては、深水黎一郎のものが良かったと
思います。
短編といえども、最後の「なるほどスッキリ感」
が味わえました。
本の重さは軽くなっても、中身の質は変わらず
素晴らしい作品ぞろいです。
さらに巻末の受賞リストは結構役に立ちます。
戦後から現在までの推理小説界を一望できます。
読んだ時代を思い出しながら、あっと言う間に
1時間は過ぎてしまうことでしょう。