○ルーヴル美術館のドラクロワ(2) | 新・駅から駅までウォーキング

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ルーヴル美術館(3)‥ドラクロワ(2)



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ウジェーヌ・ドラクロワ
『民衆を導く自由の女神』1830年


★ちょっとひとこと


ウジェーヌ・ドラクロワ(1798~1863)の作品の中
で、いつも大勢の鑑賞者に囲まれているのが、
『民衆を導く自由の女神』だ。
今でも民衆による革命のシンボルとしてフランス人
の誇りとなっている。

シャルル10世を倒し、ブルボン王朝に終止符を
打たせた、民衆による七月革命の象徴がこの作品に
描かれている。
フランス人にとっては、まさに歴史的名画なのだ。

フランス国旗を持つ胸もあらわな女神が死んだ人を
乗り越えて、民衆の先頭に立って力強く前進する。
革命の様子を間近で見ていたドラクロワは、すぐに
この作品を描き、翌年のサロンに出品した。
もちろん大好評を博し、国家の買い上げとなった。
国家の大事を描いたこの作品に文句を言える人など
いなかったのだ。


『民衆を導く自由の女神』で女神の向かって左側で
シルクハットをかぶり銃を手にした男は、
ドラクロワ本人ではないかと言われている。


昨日今日の出来事をテーマにして、すぐさま作品に
仕上げる画家など、ほかにはいなかった。
構図に関しては、後世のお手本となっている。
しかも情熱的なタッチで、人物がいきいきと描かれ
ている。
新古典主義の画家たちは倫理観とか道徳観が大切

とされ、とてもこのようなテーマでは描けない。
ロマン派は、
あいまいながらも感情表現をメインに
して多様な場面をとりあげた。
「ロマン派の巨匠」と呼ばれたドラクロワは、自由
を求める人々に導かれてこの絵を描いたのかも
しれないが、同時にアングルに代表される新古典
主義の殻を破ろうと計算づくで仕上げた絵にも
見える。


ドラクロワは絵画ばかりでなく、美術論や絵画論の
書物や論文を執筆し、後世の芸術家たちに読まれ

続けている。
多くの遺産を残したドラクロワは「フランス絵画の
父」「近代絵画の父」とも言われ、多くの画家たち
の尊敬を集めている。


★ルーヴル美術館のこと(3)


所蔵する美術品の数は30万点を超えるが、実際
何点あるのか良くわからない。
まだまだ蒐集途上にあり購入や寄贈が続いている。
常設の展示は、約3万5千点だ。


2回行ったが、それでもほんの一部しか見ていない。
とにかく広すぎる。
そして人気のある作品の前は人が群がり、ゆっくり
見ることができない。
だから疲労感は相当のものだ。


やはり美術館での鑑賞は体力勝負だと思う。


ルーヴル美術館(3)‥ドラクロワ(2)
2001.9.9 & 2010.6.21


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