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―“財政健全化”をヨイショする者たち―
永田町では「財政再建・財政健全化」が依然“絶対の正義”のようです。
http://www.asahi.com/business/reuters/CRBKBN23M0FQ.html「コロナ・デフレ脱却後は財政健全化進める」(朝日新聞)
「安倍晋三首相は15日の参院決算委員会で、新型コロナウイルスに対応した2020年度2次補正予算に関し、「世界最大級の規模の政策を実行することで足元の財政への影響は避けられない」と指摘した。」(第1段落)
直接支出する“真水”の部分の少なさを財政投融資即ち政府の民間への融資枠で誤魔化しただけの張りぼて予算を「世界最大級の規模の政策」とあくまで云い張り、なおかつ緊縮路線復帰の口実にすると・・・。溜息しか出ませんな。そしてこの流れを補強せんとする「学者」「ジャーナリスト(笑)」が続々湧いて出て来るのは平成以降の我が国のお約束です。
https://news.yahoo.co.jp/articles/404c672f42d09460d5c0b54e4599508985c7393d「補正予算衆院可決:ついに国債「1000兆円突破」で迫る「大増税」」(フォーサイト/yahoo!ニュース)
題名から財務省の提灯記事なのが一発で分かります。それでは本文。
「成立すれば、2020年度の新規国債発行額は過去最高となり、財政赤字は対GDP(国内総生産)比で250%を超える“未曽有”の借金財政に突入する。」(第2段落)
ウム。筆者の鷲尾香一とか云う人物、至ってスタンダードな増税緊縮派のようです。
「2020年度の新規国債発行額90.2兆円は、リーマンショック後の2009年度の経済対策による国債発行額52兆円を大きく上回り、公債依存度(一般会計歳出額のうち、国債発行が財源となっている割合)は、当初予算時には31.7%(うち赤字国債の割合は24.7%)だったが、第2次補正予算まで含めると56.3%(同44.5%)に跳ね上がる。」(第5段落)
「つまり、国の歳出額の半分以上が国債という借金によって賄われるわけだ。」(第6段落)
「日本国の歳出の公債依存度は50%を超える」、当ブログの読者様なら百も承知でしょうが全く問題無し! 我が国の国債は100%日本政府が発行権限を持つ日本円建てですから外貨建ての国債と違い償還出来ずデフォルト(破綻)はあり得ませんし何より「誰かの借金(負債)は誰かの資産」、このマクロ経済を語る上での大原則を忘れてはなりません。国債は借金であると同時に資産なのです。借金としての側面のみを針小棒大に騒ぎ立てるのはインチキです。
「(前略)これにより、2020年度の国債発行残高は、ついに1000兆円を突破することになった。」(第8段落)
「2020年度の国債発行残高は、ついに1000兆円を突破」、そんなに発行済み国債が増えるのが嫌なら日銀に買い取らせば良いのです。直接政府貨幣を発行して日銀に買い取らせると云う手だってあります。政府貨幣は正真正銘の資産です。政府の負債を増やさず資金を調達出来ます。まあ、日銀券と交換出来る時点で国債は政府貨幣の一種なのですが・・・。
日本は「国全体」で見れば借金ゼロ!
―嘘はいけません!―
「予算に占める国債費の割合は、1960年度には僅か0.03%に過ぎなかった。」(第10段落)
「それが、1970年度に0.3%、1980年度に5.5%、1990年度に14.3%、2000年度に21.4%と一貫して上昇しており、基礎的財政収支を圧迫している。」(第11段落)
昭和35(1960)年は国債発行が殆ど無かったのですね。如何にこの年は民間の消費や投資が旺盛だったかが分かります。ところが昭和45(1970)年以降は国債への依存度が上昇していますがこれは主に貯蓄の増加が原因ですね。貯蓄が増えるとそれだけカネ回りが悪くなります。そこで政府は国債を発行しておカネを吸い上げ、公共事業などに支出する事で民間のカネ回りを良くしようとしてきたのです。詳しくは菊池英博氏の「増税が日本を破壊する」を御参照下さい。
「さらに問題なのは、比率(公的債務の対GDP比率 *筆者注)が継続して上昇しているのが唯一、日本だけだという現実だ。日本以外のG7各国は、財政規律に目を配り、財政健全化を進めているわけだ。」(第14段落)
「日本以外のG7各国は、財政規律に目を配り、財政健全化を進めている」、鷲尾君、嘘はいかんよ。例えばあの欧州一のドケチ国家・ドイツが消費税減税を打ち出したし、米国も財政赤字を92%も拡大させているが? 各国政府の対策が遅れに遅れた1930年代の世界恐慌の悲惨さを考えれば財政規律だの財政健全化だのと悠長な事を云ってられないのだよ。なりふり構わず何でもやらねば。
「しかも今回、2020年の日本の公的債務の対GDP比は、2回の補正予算によって250%を超える水準まで上昇する。」(第15段落)
繰り返しになりますが日本国債は100%自国通貨(日本円)建て。破綻はあり得ません。故にGDPに占める公的債務の比率を騒ぎ立てるのはナンセンスです。現に同じ国債が自国通貨(ポンド)建てだったナポレオン戦争時の英国におけるGDPに占める国債比率は300%近くになりましたが破綻などしませんでした。
独自の通貨と自国通貨建ての国債が英国を覇権国にした
―お? 今回はマトモ?―
「その(経済を犠牲にした *筆者注)結果として、国が企業や個人に対する支援を行うのは当然であり、ある程度新型コロナの感染拡大が収束した後も、引き続き、感染拡大防止と経済活動を両立させるために、適切な財政出動を行う必要がある。」(第17段落)
「需要を支えていくためには、財政政策の役割は重要だ。」(第18段落)
「こうした“有事対策”としての財政拡大による財政の出動については、国民感情的に非常に許容しやすい。 」(第19段落)
なるほど、鷲尾君も今が財政出動の好機である事には異論は無いみたいです。
「政府にとってみれば、日銀が無制限に国債の買い入れを実施することで、どれだけ国債を発行しても、その消化に困ることはないし、日銀によって長期国債の金利が超低金利に抑え込まれているため、新規国債発行による金利負担は軽微で済む。」(第21段落)
「こうした状況が財政赤字の拡大に容易に踏み出しやすい環境を作っている。」(第22段落)
「加えて、通常はこれだけ巨額の財政出動を行えば物価が上昇し、インフレが発生する懸念があるが、現在は新型コロナ対策による経済活動の停滞が招いた需給ギャップが発生しているため、インフレ懸念がないことも背景事情として大きいだろう。」(第23段落)
日銀の無制限国債買い入れを超低金利の現状を踏まえてひとまず肯定し、超低金利故に金利負担が軽いので財政赤字拡大が容易な事に加え需要が大きく落ち込む恐慌下なのでインフレの心配もしなくて良いと、おお・・・この鷲尾香一、増税緊縮派で問題のある人物なのは間違い無いにせよ己の都合の悪い事実を悉く避ける土居丈朗や論理性のカケラも無い小幡績に比べれば大分マトモそう・・・? さてここから彼の持論が展開されるのですが・・・大分長くなりそうなので後半に続きます<(_ _)>
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