まずは前回の記事についてです。沓沢亮治氏がNHKから国民を守る党(N国党)を離党されました。-http://bouzup.blog.jp/archives/1074592473.html(沓沢亮治氏HP 4月29日付け記事)ー驚きました。晴天の霹靂です。この沓沢氏の記事によればどうやら参院選候補者選定と供託金を巡るトラブルが原因のようなのですが・・・
こちらはN国党代表の立花氏の動画です。まだ事情がはっきりしてはおりませんしそもそもアタシはその道のプロでもありませんので軽率に申し上げる訳には参りません。ですが印象としては両者の言い分が全然噛み合って居ないようですね・・・。ともかくも前の記事であらぬ誤解を与えてしまった可能性は否定出来ません。前記事を御覧になった全ての皆様に心より御詫び申し上げます。そして「普(通)選(挙)の精神」に反する制度、供託金制度の速やかな廃止を!
さて、今回の一件を含め戦後、特に平成時代以降に旗揚げされた政党・政治団体で「成功」したと云い得るものはいくつくらいあるのでしょうか? 日本新党みたいに短期間で消滅するか何とか存続出来ても議員一人当選させられず「政治ごっこ」の域を出ないものが殆どではないでしょうか? 何故平成日本の組織、それも政治的な組織は上手く行かないのか・・・。その問いに答えるヒントが現在発売中の「表現者 クライテリオン5月号」の座談会、「「令和八策」建白のクライテリオン」にあります。46頁で藤井聡氏(「表現者 クライテリオン」編集長、京都大学大学院教授)が「(前略)で、とにかくそんな「個体性を認められるのは人間だけだ」というインテリ的偏見を取っ払えば、自分に関しても、集団に関しても、地域に関しても、会社に関しても、国家に関しても、それぞれに属するいろんな全ての要素を薄い膜のようなものでくるんで一つのアイデンティティを付与して個体だと認識することはいとも容易いし、かつ、そういう心の働きは、共同体についての実践を積み重ねていく上で極めて重要だと思うんです。逆に言うと、実践主義が成立するために一番大事なものが実は社会有機体主義とも言えると思います。にもかかわらず、今、この社会有機体主義がとりわけインテリたちの議論の中から粗方なくなってしまっているというのが、様々な日本の問題、世界の問題を生み出している重要な原因なんだろうとも思うんですね。」と鋭い指摘をされていらっしゃいます。 例として挙げるのは些か不適切かもしれませんが、高齢化や求心力の低下など様々な不安材料が囁かれる中今回の統一地方選でも全員当選(一般市・町村・東京特別区)と云う圧倒的な勝利を収めた公明党の強さの要因の一つはこの「社会有機体主義」にあるのではないかとアタシは思うのです。新自由主義の蔓延で「社会有機体主義」を含め岸・池田・角栄が現役の頃の美風が雲散霧消した自民党に対して公明党は曲がりなりにも日蓮と池田大作、さらにその教えに対する帰依を徹底させ、何より地域社会に根付いた庶民層を主体とする信者(学会員)による強固な組織力を誇る宗教団体(創価学会)がバックに控えているだけあって皮肉にも「社会有機体主義」が―随分歪んでいて、明らかに間違った方向を向いてはいますが―大メディア御得意の「これからは~の時代」「変わる~」的なプロパガンダに誑かされる事無く手厚く守られたと云う訳です。権力の為ならついこの間まで犬猿の仲だった自民党と手を組み消費増税などの「構造改革」的な案件にも諸手を挙げて賛成するのに自党と学会の「構造改革」は拒否。その徹底したダブルスタンダードを貫いた結果が統一地方選の圧勝です。
以上から分かること、それは「社会有機体主義」は―とりわけ今のような不確実性が増している時代においては―組織や国家を強くする上で不可欠だと云う事です。 ん? 創価学会への入会? 公明党への支持? だが断る! おととい来やがれ!
最後に、「平成」時代は本日をもって幕を下ろし、明日(5月1日)より新しい御代、「令和」時代が始まります。今上陛下におかれましては上皇陛下となられました後はこれまでの多忙を極めた御公務を忘れ、ゆるゆるとなされますよう・・・。
![]() |
表現者クライテリオン 2019年5月号[雑誌]
1,337円
Amazon |
![]() |
インフラ・イノベーション 強くて豊かな国をつくる日本再生プロジェクト
1,944円
Amazon |
![]() |
「10%消費税」が日本経済を破壊する──今こそ真の「税と社会保障の一体改革」を
1,620円
Amazon |
![]() |
歴史の謎はインフラで解ける 教養としての土木学
1,620円
Amazon |